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GA4ユーザー必見!GA4活用のよくある質問5つを徹底解説(2024年10月)

作成者: 神崎 恵|Oct 8, 2024 11:00:00 PM

Google アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4)を効果的に活用するには、ツールの機能を深く理解し、課題に対して迅速に対応する必要があります。
イー・エージェンシーは「Google マーケティングプラットフォーム(以下GMP)」および「Google Cloud」の認定パートナーとして、GA4を活用する企業を日々サポートしており、さまざまな質問や相談が寄せられています。
今回は、2024年10月までに、特にGA4の有料版(以下GA360)をご利用のお客様から寄せられた「よくあるご質問」のうち5つをご紹介します。

INDEX

よくあるご質問 その1
標準レポートと探索レポートで数値に差異がある理由は何ですか?

運用を具体的に開始したお客様からよくいただく質問です。
標準レポートと探索レポートで数値に差異がある場合、いくつかの原因が考えられます。
単独の原因である場合もあれば、複数の原因が組み合わさっている場合もあるため、注意が必要です。
それでは、具体的に2つの原因を見ていきましょう。

原因1)レポートが参照するテーブルの違い

GA4の標準レポート、探索レポート、Google Analytics Data API (GA4) では、リクエストの内容に応じて、「集計済みのテーブル」と「未集計のテーブル」のいずれかを参照して、データが表示されます。

標準レポートと探索レポートが異なるデータテーブルを参照していれば異なる数字が算出されます。また、「(other) 」やサンプリングの発生状況が異なった場合には、より数値に差異が発生します。

原因2)サンプリングのしきい値の違い(有料版のみ)

GA360プロパティの標準レポートと探索レポートのサンプリングのしきい値は、デフォルトではクエリ毎に1億イベントですが、探索レポートで精度と速度のレベルを「精度の高い結果」にした場合は、クエリ毎に最大 10億件のイベントまで緩和されます。
これにより標準レポートと探索レポートの数値に差異が発生する場合があります。

標準レポートでも探索レポートでもサンプリングが発生している場合で、探索レポートで精度と速度のレベルを「精度の高い結果」にしている場合は、サンプリングのしきい値が違うため、数値にも差異が発生します。

◼️サンプリングのしきい値

種類 詳細
Google アナリティクス無料版
  • クエリごとに1,000万件のイベント
Google アナリティクス 有料版(GA360)
  • デフォルトではクエリごとに1億件のイベント
  • 探索レポートで、精度と速度のレベルを「精度の高い結果」にした場合は10億件のイベント
非サンプリングデータ探索(GA360)
  • プロパティごとに1日あたり最大 500億件のイベント

 

よくあるご質問 その2
イベントやパラメータ(カスタムディメンション)がレポートに表示されない/少ない原因は何ですか?

計測しているはずのイベントやパラメータがレポートに反映されない場合、いくつかの原因が考えられます。その主な原因をご紹介します。
以下に記載する原因は、単独である場合もあれば、複数の原因が組み合わさっている場合もありますので、ご注意ください。

原因1)データの収集や処理の制限を超えている

GA4では下記の制限があり、この制限を超えた場合は、データが正常に処理されない場合があります。
また、各種制限の上限は、無料版とGA360で異なる場合があります。

制限

  • 1回に送信できるデータの量
  • 同時に送信できるイベントの数
  • イベントの種類の数(アプリストリームのみ:ユーザーあたり 500 件)
  • 1つのイベントに付与できるパラメータの数(GA360で上限緩和)
  • イベントの文字数
  • パラメータの文字数(GA360で上限緩和)

上記に「GA360で上限緩和」と記載している項目の制限にお困りの場合は、是非Google アナリティクス 有料版へのアップデートをご検討ください。

【資料】GA4無料版をご利用の方必見!GA4導入後のよくあるお悩みと解決方法8選
https://googleanalytics360-suite.e-agency.co.jp/download/20240424_01

原因2)データ処理が完了していない

GA4では、データを収集し、集計処理を行った上でレポートに反映されます。
集計が完了していない場合、レポートにイベントやパラメータが表示されなかったり、少なく表示されることがあります。
その場合は、集計が完了するのを待ってから、レポートをご確認ください。

原因3)レポートに 「(other)」 が発生している

GA4のレポートが参照するテーブルには行数の制限があるため、制限を超えたデータは「(other)」に集約されます。
データの一部が「(other)」行に集約されている場合、実際は存在しているが、レポート上には行自体が表示されない場合があります。

(Other) の表示を回避するには、データをBigQueryにエクスポートして集計する、または有料版にアップグレードする方法があります。継続的にデータ活用をしていくことを考えると、有料版へのアップグレードをおすすめしております。

原因4)レポートに「しきい値」が適用されている

【前提条件】
プロパティでGoogleシグナルを有効にしており、レポートのディメンション、フィルタ、セグメントに、「年齢」「性別」「インタレストカテゴリ」が含まれている

レポートに「年齢」「性別」「インタレストカテゴリ」が含まれていると、ユーザーのプライバシーを保護する観点から、データにしきい値が適用されます。
レポートの各行に含まれるユーザー数が少なく、しきい値に満たない場合、その行ごとレポートから除外されるため、一部のデータが欠落しているように見えます。

 

よくあるご質問 その3
ディメンションの値に空白が表示される場合の対処法を教えてください

GA4のレポートで、ディメンションの値が「空白」になることがあります。
その主な原因と解決策をご紹介します。

原因1)データの収集や処理の制限を超えている

GA4では、データ収集後に集計を行いレポートに反映しますが、集計のデータ処理の過程で空白が表示される場合があります。

GA4は最大 72 時間遅れて届いたイベントも処理するため、72時間以内のデータは結果が変わる可能性があり、その過程で空白が表示される場合があります。

データ集計の過程で空白が表示されている場合は、データ処理が完了すると、正しく値が反映されるようになります。

これらは、レポートの期間を72時間より前の期間(3日前)に設定することで解消されます。

 

原因2)カスタムディメンション用のパラメータの値として「空の値」を送っている

カスタムディメンションとして計測しているパラメータの値として「空の値」を送っている場合、カスタムディメンションの値が「空白」として表示されます。

値がない時はデータレイヤーを出力しないことで、解消できます。
Webサイト側の改修が難しい場合は、Google タグ マネージャー(GTM)の正規表現の表でデータレイヤー変数の値が空なら未定義値「undefined」に変換しましょう。

 

よくあるご質問 その4
コンバージョン数に小数点以下の数値が表示される原因は何ですか?

アトリビューション用のトラフィックディメンション(※1)で、コンバージョン数を確認すると、コンバージョン数に小数点以下の数値が表示されることがあります。
※1)「セッションの」が付かない 参照元/メディア、キャンペーン、デフォルトチャネルグループなど

原因)「レポート用のアトリビューション モデル」で「データドリブン」モデルを選択している

管理画面の設定「レポート用のアトリビューション モデル」で「データドリブン」モデルを選択している場合(デフォルトの設定)、コンバージョンに直接貢献した参照元やキャンペーンだけでなく、間接的に貢献した参照元やキャンペーンにも、貢献度に応じてコンバージョン数が分配されるため、小数点以下の数値が表示されます。
なお、コンバージョン数をどのように分配するかは、機械学習を用いて計算されます。

 

よくあるご質問 その5
ディレクトリ毎のデータが見たいのですが、どのように設定すればよいでしょうか?

GA4では、ディレクトリ毎のデータを確認できるディメンションや、専用のレポートは用意されていないため、別途設定が必要です。ディレクトリ毎のデータを確認する方法をご紹介します。

方法1)これから計測するデータの場合

カスタムディメンションでディレクトリ情報を取得します。
カスタムディメンション取得後のデータについてのみ、カスタムディメンションでディレクトリ毎のデータが確認できますが、過去のデータは確認できません。

※以下の設定は一例です。貴社サイトのURLの仕様により、意図したデータを取得できない場合がございます。必ず、検証環境等で意図したデータが取得できているかご確認のうえ、本番環境に反映いただきますようお願いいたします。

①ディレクトリ名を取得するための変数を作成

URLから、第1~4階層のディレクトリ名を抽出する変数をそれぞれ作成します。
(JavaScript を使用してディレクトリ名を抽出する方法もありますが、ここではJavaScript を使用しない方法を記載しています。)

▼設定例(変数名は貴社のルールに合わせてください)
設定したい階層ごとに、変数「正規表現の表」を用いて作成します。次の画像例は第1階層を取得する変数です。

②Googleタグにセットする

①で作成した変数を、既存のGoogleタグのイベントパラメータに設定します。
(新たにGoogleタグを作成しないでください、重複計測になる可能性があります。)

▼設定例(パラメータ名などは貴社のルールに合わせてください)

③カスタムディメンションに登録する

②で設定したパラメータをGA4の管理画面で、カスタムディメンションとして登録します。

▼設定例(ディメンション名は貴社のルールに合わせてください)

④レポートの作成

③で登録したカスタムディメンションを使ってレポートを作成します。

 

方法2)計測済みデータの場合

セグメントを用いて、個別にURLを指定してディレクトリ毎のデータを抽出します。過去データもディレクトリ毎に確認できますが、セグメントは一度に4つまでしかレポートに適用できません。

※以下の設定は一例です。貴社サイトのURLの仕様により、意図したデータを取得できない場合がございますので、適宜ご調整ください。

①セグメントを設定する

まずは、セグメントを設定します。
例えば、第1階層「/company」のイベントのみを抽出するセグメントは下記の様になります。(イベントセグメントで作成します)。

②レポートの作成

各ディレクトリのセグメントを作成し、レポートに適用します。

Looker Studio や BigQueryエクスポートのデータ でも、過去データをディレクトリ毎に確認することができます。分析したい要件に合わせて設定を行ったり、様々な分析機能を活用して、データ分析に役立てましょう。

 

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いかがでしたか?
GA4を最大限に活用するためには、悩みや疑問をそのままにせず、早急に解決することが重要です。
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