Google アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4)を効果的に活用するには、ツールの機能を深く理解し、課題に対して迅速に対応する必要があります。
イー・エージェンシーは「Google マーケティングプラットフォーム(以下GMP)」および「Google Cloud」の認定パートナーとして、GA4を活用する企業を日々サポートしており、さまざまな質問や相談が寄せられています。
今回は、2024年10月までに、特にGA4の有料版(以下GA360)をご利用のお客様から寄せられた「よくあるご質問」のうち5つをご紹介します。
運用を具体的に開始したお客様からよくいただく質問です。
標準レポートと探索レポートで数値に差異がある場合、いくつかの原因が考えられます。
単独の原因である場合もあれば、複数の原因が組み合わさっている場合もあるため、注意が必要です。
それでは、具体的に2つの原因を見ていきましょう。
GA4の標準レポート、探索レポート、Google Analytics Data API (GA4) では、リクエストの内容に応じて、「集計済みのテーブル」と「未集計のテーブル」のいずれかを参照して、データが表示されます。
標準レポートと探索レポートが異なるデータテーブルを参照していれば異なる数字が算出されます。また、「(other) 」やサンプリングの発生状況が異なった場合には、より数値に差異が発生します。
GA360プロパティの標準レポートと探索レポートのサンプリングのしきい値は、デフォルトではクエリ毎に1億イベントですが、探索レポートで精度と速度のレベルを「精度の高い結果」にした場合は、クエリ毎に最大 10億件のイベントまで緩和されます。
これにより標準レポートと探索レポートの数値に差異が発生する場合があります。
標準レポートでも探索レポートでもサンプリングが発生している場合で、探索レポートで精度と速度のレベルを「精度の高い結果」にしている場合は、サンプリングのしきい値が違うため、数値にも差異が発生します。
種類 | 詳細 |
Google アナリティクス無料版 |
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Google アナリティクス 有料版(GA360) |
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非サンプリングデータ探索(GA360) |
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計測しているはずのイベントやパラメータがレポートに反映されない場合、いくつかの原因が考えられます。その主な原因をご紹介します。
以下に記載する原因は、単独である場合もあれば、複数の原因が組み合わさっている場合もありますので、ご注意ください。
GA4では下記の制限があり、この制限を超えた場合は、データが正常に処理されない場合があります。
また、各種制限の上限は、無料版とGA360で異なる場合があります。
上記に「GA360で上限緩和」と記載している項目の制限にお困りの場合は、是非Google アナリティクス 有料版へのアップデートをご検討ください。
【資料】GA4無料版をご利用の方必見!GA4導入後のよくあるお悩みと解決方法8選
https://googleanalytics360-suite.e-agency.co.jp/download/20240424_01
GA4では、データを収集し、集計処理を行った上でレポートに反映されます。
集計が完了していない場合、レポートにイベントやパラメータが表示されなかったり、少なく表示されることがあります。
その場合は、集計が完了するのを待ってから、レポートをご確認ください。
GA4のレポートが参照するテーブルには行数の制限があるため、制限を超えたデータは「(other)」に集約されます。
データの一部が「(other)」行に集約されている場合、実際は存在しているが、レポート上には行自体が表示されない場合があります。
(Other) の表示を回避するには、データをBigQueryにエクスポートして集計する、または有料版にアップグレードする方法があります。継続的にデータ活用をしていくことを考えると、有料版へのアップグレードをおすすめしております。
【前提条件】
プロパティでGoogleシグナルを有効にしており、レポートのディメンション、フィルタ、セグメントに、「年齢」「性別」「インタレストカテゴリ」が含まれている
レポートに「年齢」「性別」「インタレストカテゴリ」が含まれていると、ユーザーのプライバシーを保護する観点から、データにしきい値が適用されます。
レポートの各行に含まれるユーザー数が少なく、しきい値に満たない場合、その行ごとレポートから除外されるため、一部のデータが欠落しているように見えます。
GA4のレポートで、ディメンションの値が「空白」になることがあります。
その主な原因と解決策をご紹介します。
GA4では、データ収集後に集計を行いレポートに反映しますが、集計のデータ処理の過程で空白が表示される場合があります。
GA4は最大 72 時間遅れて届いたイベントも処理するため、72時間以内のデータは結果が変わる可能性があり、その過程で空白が表示される場合があります。
データ集計の過程で空白が表示されている場合は、データ処理が完了すると、正しく値が反映されるようになります。
これらは、レポートの期間を72時間より前の期間(3日前)に設定することで解消されます。
カスタムディメンションとして計測しているパラメータの値として「空の値」を送っている場合、カスタムディメンションの値が「空白」として表示されます。
値がない時はデータレイヤーを出力しないことで、解消できます。
Webサイト側の改修が難しい場合は、Google タグ マネージャー(GTM)の正規表現の表でデータレイヤー変数の値が空なら未定義値「undefined」に変換しましょう。
アトリビューション用のトラフィックディメンション(※1)で、コンバージョン数を確認すると、コンバージョン数に小数点以下の数値が表示されることがあります。
※1)「セッションの」が付かない 参照元/メディア、キャンペーン、デフォルトチャネルグループなど
管理画面の設定「レポート用のアトリビューション モデル」で「データドリブン」モデルを選択している場合(デフォルトの設定)、コンバージョンに直接貢献した参照元やキャンペーンだけでなく、間接的に貢献した参照元やキャンペーンにも、貢献度に応じてコンバージョン数が分配されるため、小数点以下の数値が表示されます。
なお、コンバージョン数をどのように分配するかは、機械学習を用いて計算されます。
GA4では、ディレクトリ毎のデータを確認できるディメンションや、専用のレポートは用意されていないため、別途設定が必要です。ディレクトリ毎のデータを確認する方法をご紹介します。
カスタムディメンションでディレクトリ情報を取得します。
カスタムディメンション取得後のデータについてのみ、カスタムディメンションでディレクトリ毎のデータが確認できますが、過去のデータは確認できません。
※以下の設定は一例です。貴社サイトのURLの仕様により、意図したデータを取得できない場合がございます。必ず、検証環境等で意図したデータが取得できているかご確認のうえ、本番環境に反映いただきますようお願いいたします。
URLから、第1~4階層のディレクトリ名を抽出する変数をそれぞれ作成します。
(JavaScript を使用してディレクトリ名を抽出する方法もありますが、ここではJavaScript を使用しない方法を記載しています。)
▼設定例(変数名は貴社のルールに合わせてください)
設定したい階層ごとに、変数「正規表現の表」を用いて作成します。次の画像例は第1階層を取得する変数です。
①で作成した変数を、既存のGoogleタグのイベントパラメータに設定します。
(新たにGoogleタグを作成しないでください、重複計測になる可能性があります。)
▼設定例(パラメータ名などは貴社のルールに合わせてください)
②で設定したパラメータをGA4の管理画面で、カスタムディメンションとして登録します。
▼設定例(ディメンション名は貴社のルールに合わせてください)
③で登録したカスタムディメンションを使ってレポートを作成します。
セグメントを用いて、個別にURLを指定してディレクトリ毎のデータを抽出します。過去データもディレクトリ毎に確認できますが、セグメントは一度に4つまでしかレポートに適用できません。
※以下の設定は一例です。貴社サイトのURLの仕様により、意図したデータを取得できない場合がございますので、適宜ご調整ください。
まずは、セグメントを設定します。
例えば、第1階層「/company」のイベントのみを抽出するセグメントは下記の様になります。(イベントセグメントで作成します)。
各ディレクトリのセグメントを作成し、レポートに適用します。
Looker Studio や BigQueryエクスポートのデータ でも、過去データをディレクトリ毎に確認することができます。分析したい要件に合わせて設定を行ったり、様々な分析機能を活用して、データ分析に役立てましょう。
今回ご紹介したGA360をお使いのお客様からいただいた「よくあるご質問」の回答は、弊社が運営するデータ分析の自学習サイト「GMP プレミアムサロン」でより深く・詳しくご紹介しています!
GMP プレミアムサロンでは、GA4をはじめとするデータ活用を動画で手軽に学ぶことができる「トレーニング動画」や「ウェビナー動画」、GA4を体系的に学べる「GA4実戦ガイド」、Google マーケティング プラットフォーム(GMP)の最新情報をお届けする「プレミアムレター」など、GA4を学べるコンテンツが揃っています。また、個人のスキルアップだけではなく、組織的なGA4活用にも役立ちます。
お客様がより深くGA4を理解し、効果的に活用できるようサポートしています。
いかがでしたか?
GA4を最大限に活用するためには、悩みや疑問をそのままにせず、早急に解決することが重要です。
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