Google アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4は、日々進化を遂げているツールであり、このツールの力を十二分に活用するためには、最新情報やアップデート情報を常に把握しておくことが求められます。
今回は、2023年9月から2024年8月までの1年間に行われたGA4のアップデートの中から、特に注目すべきものをピックアップし、わかりやすく解説します。また、こうした情報をいち早くキャッチアップするための「プレミアムレター」サービスについてもご紹介します。
日々多くのアップデートが行われたGA4ですが、その中でも特に注目するべき、ビジネスに役立つ情報を一挙にご紹介します!
GA4の管理画面から、コンバージョンに「値」を設定できるようになりました。コンバージョンごとに「値」を使って重み付けをすることで、コンバージョンの数だけでない分析が可能です。
例えば、「コンバージョン値(イベントの値)」も考慮することで、より貢献度の高かった流入元の分析が可能になるなど、より高度な分析が可能です。
設定:[管理] > [コンバージョン] > [コンバージョン横の三点リーダー]
> [デフォルトのコンバージョン値を設定]
GA4に「計算指標」が登場しました。ユニバーサル アナリティクス(以下UA)を利用していた方にとっては、お馴染みの機能ではないでしょうか?
計算指標を使えば、事前定義された「指標」や「カスタム指標」を組み合わせて、ユーザー独自の新しい指標を作成できます。作成した計算指標は、標準レポートや探索レポートだけでなく、Looker StudioやData APIでも使用できます。
設定:[管理] > [プロパティ設定] > [データの表示] > [カスタム定義] > [計算指標] > [計算指標を作成]
GA4のレポートは、これまで2種類のテーブルからデータを参照していました。サンプリングと(other) 行の影響を軽減し、より正確なデータを表示するため、レポートの種類を問わず、最適なテーブルからデータを参照するようになりました。
項目 | 従来 | アップデート後 |
標準レポート、Looker Studio、Data API | 集計済みのテーブル | 最適なテーブル |
探索レポート | 未集計のテーブル | 最適なテーブル |
※ このアップデートの結果、 標準レポート・探索レポート・APIを問わず、サンプリングと(other)行が発生する可能性があります。
スケジュールを設定して標準レポートをメールで送信できるようになりました。
レポートに関する最新情報を定期的に受け取ることが可能です。
設定:各レポート右上の [このレポートの共有] を押下
一部のサブプロパティで見られるフィルタリングの問題を解決するために、自動収集イベントのfirst_visit や session_start に、イベントパラメータが紐づくようになりました。
これにより、サブプロパティで自動収集イベントが適切にフィルタリングされ、参照元プロパティとサブプロパティのデータの不一致が起こりにくくなりました。
Google シグナルは、2024年2月12日をもって、レポート用識別子から削除されました。
この影響で、Googleシグナルを用いたクロスデバイス計測は行えなくなりましたが、しきい値が適用されにくくなり、より正確なデータを確認できるようになりました。
UTMパラメータ(手動タグ)の流入に関する新しいディメンションが登場いたしました。
WebではUTMパラメータの値、アプリではcampaign_detailsイベントで渡されるUTMパラメータの値に基づいて反映されます。UTMパラメータ(手動タグ)を設定した流入経路の把握のために活用できます。
GA4のコンバージョンと、Google広告のコンバージョンを区別するために、GA4における従来の「コンバージョン」は「キーイベント」という名前に変わりました。また、GA4において「コンバージョン」という用語は再定義され、Google広告のコンバージョンのみを指すようになりました。このアップデートにより、GA4とGoogle広告におけるコンバージョンの数値に関する不一致が解消され、コンバージョン計測の一貫性を維持できるようになりました。
GA4の左メニューにある [広告] セクションについて、2点の変更が行われました。
従来はGoogleの広告サービスと連携しなくてもレポートが表示されていました。アップデート後は、パフォーマンス・アトリビューションレポートの表示には、「Google広告」「Floodlight」「SA360」「DV360」の、いずれかのサービスとの連携が必須になりました。
例えば、Google広告に関するデータを確認できる「パブリッシャーの広告レポート」は、標準レポートの[収益化] 配下に用意されていました。今回のアップデートにより、広告関連のレポートは全て[広告] セクションの配下に移動しました。
データの絞り込みが可能な標準レポートの機能である「比較」について、プロパティ単位で保存が可能になりました。使用頻度の高い分析条件を「比較」に保存し共用することで、ユーザー毎に「比較」を作成する手間を省くことができます。
設定:標準レポート上部の「比較対象を追加」や、管理画面から設定
データ集計用のGA4スプレッドシートアドオンでフィルタが使用できるようになりました。
また、スケジュール設定を行って定期的なデータのリクエストが可能になり、アドオンの利便性が向上しました。
設定:レポート作成(Create new report)時に
「Dimension filters」「Metric filters」から フィルタを追加
設定:スプレッドシート上部 [拡張機能] > [GA4 Reports Builder for Google Analytics]
> [Schedule reports] を押下
新しいインポートタイプ「カスタム イベント データ」が登場しました。
これにより、GA4で既に記録されているイベント スコープの ディメンションをキーにして、GA4 以外の外部ソースで収集したデータを結合し、より効果的に分析できるようになったり、レポートで過去のデータを修正できるようになりました。
設定:管理セクションで [データ インポート] を選択 > [カスタム イベント データ]を選択
これまでGA4のリアルタイムレポートでは、「過去 30 分間のユーザー数」のみ表示されていましたが、今回のアップデートで「過去 5 分間のユーザー数」が追加されました。
「過去 5 分間のユーザー」には、過去 5 分間にサイトまたはアプリにアクセスしたすべてのユーザーが含まれます。
BigQueryエクスポートに、複数のフィールドが追加されました。
セッションの参照元情報が入る新フィールド「session_traffic_source_last_click」が登場しました。
ダイレクト流入時に直前の参照元情報を引き継ぐなど、GA4レポートと近しい仕様でエクスポートされます。セッション流入元分析にご活用ください。ただし、広告流入時はGA4とは一致しないことがあるため注意が必要です。
フィールド名 | 説明 |
manual_campaign.source | ラストクリックに関連付けられたセッションの手動キャンペーンのソース |
manual_campaign.medium | ラストクリックに関連付けられたセッションの手動キャンペーンのメディア(オーガニック検索、メールなど) |
manual_campaign.campaign_name | ラストクリックに関連付けられたセッションの手動キャンペーンの名前 |
google_ads_campaign.XXXX | Google広告のアカウント名・キャンペーン名・広告グループ名等 |
GA4で新しく追加されたUTMパラメータ「utm_creative_format」「utm_marketing_tactic」などをイベントレベルで確認できるフィールドが追加されました。
フィールド名 | 説明 |
manual_creative_format | イベントの参照元、もしくはイベントと同時に収集された手動クリエイティブ フォーマット(utm_creative_formatの値) ※GA4レポート上のディメンション「手動クリエイティブフォーマット」は、正確な値が確認できない可能性があります。正確な値はBigQueryをご確認ください。 |
manual_marketing_tactic | イベントの参照元、もしくはイベントと同時に収集された手動キャンペーン マー ケティング戦術(utm_marketing_tacticの値) ※GA4レポート上に該当するディメンションはありません。 |
manual_source_platform | イベントの参照元、もしくはイベントと同時に収集された手動参照元プラットフォーム(utm_source_platformの値) |
7月上旬、イベントの送信順を確認できるフィールドが追加されました。これまで確認できなかったバッチ処理内の厳密なイベントの送信順を、「batch_event_index」で確認することができるようになりました。
フィールド名 | 説明 |
batch_page_id | ページに遷移した時のタイムスタンプ ※弊社検証ベースでは、フィールド「event_timestamp」とは必ずしも一致しないことを確認しています。 |
batch_ordering_id | ページ閲覧時に発生した リクエスト毎に 数え上げる番号 ※ページ遷移する度に「1」にリセット ※バッチ処理で、1リクエストにまとめて送信されたイベント群には、同じ値がセット |
batch_event_index | バッチ処理でまとめて送信されたイベントの送信順 ※バッチ処理されていないイベントにも「1」が記録 ※弊社検証ベースでは、オーディエンストリガーイベントにはバッチ処理順とは関係ない値が入ることを確認しています。データ参照される際はご留意ください。 |
GA4有料版は、GA4無料版よりも高度な分析とマーケティング機能を利用できるプランです。
「(Other)の表示回避」や「サンプリングの回避」「データ保持期間の延長」「データセットの設定エラーの解消」「サブプロパティの作成」「Google広告連携におけるオーディエンス作成上限の緩和」「BigQueryへのエクスポートの上限緩和」「収集できるイベント上限の緩和」など、データ活用を支える重要な機能を利用できるようになります。
GA4有料版で解決できるお悩み8選
https://googleanalytics360-suite.e-agency.co.jp/column/20230428_01
また、弊社からGA4有料版をご契約のお客様は、こういった最新情報やアップデート情報を閲覧できる「GMP プレミアムサロン」へ登録することができます。
最新情報やアップデート情報の取得だけでなく、GA4有料版をご検討の方は、まずお気軽にお問い合わせください。
GA4有料版のプロパティ限定で、新しいBigQueryエクスポートタイプ「Fresh Daily Export(毎日(高頻度))」が登場しました。データセット全体を定期的にバッチアップデートし、毎日同じ時間までにエクスポートが完了します。そのため、これまでのエクスポートタイプ「毎日」に比べて、データをいち早く受け取ることが可能です。
設定:BigQueryの連携画面から「毎日(高頻度)」を有効
GA4有料版限定で、特定のユーザー、もしくはユーザーグループに対し、標準レポートのコレクション(レポート群)を表示させる機能が追加されました。これにより例えば、表示するレポートを事業部毎に変更するなど、重要なレポートの共有が容易になりました。
設定:①[標準レポート] > [ライブラリ] > [コレクション]
> 編集するコレクションの3点リーダー [ユーザーを編集] を押下
GA4の最新情報やアップデート情報を把握することは、GA4の効果的な活用に不可欠です。しかし、独自で情報を収集する必要があるGA4無料版をお使いの方にとっては、情報収集は難しいかもしれません。
イー・エージェンシーでは、そんな無料版のGA4をお使いの方が、GA4を一層活用しビジネス成果に繋げられるよう、「GMP プレミアムサロン」という自学習コンテンツを提供しています。GMP プレミアムサロンでは、GA4の最新情報やアップデート情報を迅速に入手できる「プレミアムレター」などのサービスを提供しています。さらにプレミアムレターは、GA4と関連性の高いGoogle タグ マネージャー(以下GTM)やLooker studioなどの最新情報も掲載しているため、よりデータ活用の促進に役立ちます。
2023年1月に実施したお客様満足度調査では、「非常にわかりやすい 22%」「ある程度理解できる 46%」と、68%のお客様から高評価をいただきました。
プレミアムレターは、イー・エージェンシーが提供するGA4の自学習サイト「GMP プレミアムサロン」へお申し込みいただくことで利用いただけます。
1アカウントあたり月額 3,500円(税別)相当と、お求め安い価格でご提供しており、10アカウント単位でのご提供となるため、チーム単位での教育にも最適です。
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いかがでしたか?
今回は、2023年9月から2024年8月までの1年間に行われたGA4のアップデートの中から、特に注目すべきものをピックアップし解説しました。
GA4のアップデート情報を把握し続けることで、データ分析の精度を向上させ、ビジネスの成長をサポートします。ぜひGMP プレミアムサロンのコンテンツである「プレミアムレター」を活用して、最前線の情報を逃さずキャッチアップしていきましょう。
まずは、資料ダウンロード・お問い合わせをお待ちしております。
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