たとえば商品・サービスのECサイトやブランドサイト、キャンペーンサイト、コーポレートサイトなど、一つの企業がドメインの異なる複数のサイトを運営することは一般的です。
ドメインをまたぐユーザー行動も頻繁に起こります。
しかしながら、ドメインをまたぐとセッションが切れてしまい、本来の参照元がわからなくなるなど、必要な計測ができなくなってしまいます。
そんなとき役に立つのがクロスドメイントラッキングです。
クロスドメイントラッキングを使えば、ドメインをまたぐユーザー行動も1つのプロパティ上で1セッションとして分析できます。
今回はクロスドメイントラッキングによる2つの計測方法についてご紹介します。
ユーザーが複数のドメインにまたがって行動し、遷移先のドメインでコンバージョンすることは頻繁にあります。そんなとき、複数のドメインにまたがる計測を行っていないと、ドメインをまたいだ時点でセッションが切れてしまいます。1つのセッションと見なされず、本来の参照元を把握することが出来ないほか、一貫した行動として把握することができません。
ドメインをまたぐとセッションが切れるため、
コンバージョンにつながったセッションの
本来の参照元情報(=Google 検索)がわからない。
クロスドメイントラッキングの設定を行うことで、1つのプロパティ上で、複数のドメインにまたがるユーザー行動を1つのセッションとして計測し、本来の参照元なども把握することができます。計測方法としては、複数ドメイン計測用のプロパティの設計によって次の2つの方法があります。
計測方法
【方法1】横断計測プロパティ
【方法2】統合プロパティ
では、「横断計測プロパティ」と「統合プロパティ」について、それぞれの方法のメリット・デメリットや、作成時の制限等について簡単に比較してみましょう。
メリット:共通のトラッキングコードを使用
デメリット:プロパティ設定が共通となるため、ドメインごとの細かい計測設定が困難
無償版プロパティでの作成:〇(可)
作成時の制限:なし
メリット:トラッキングコード調整不要/カスタムディメンションや指標をサイトごとに自由に設定可能
デメリット:統合対象となるプロパティのヒット数に対して50%の課金が発生
無償版プロパティでの作成:×(不可)
作成時の制限:あり
計測対象の複数ドメインに対して、共通のトラッキングコード(UA-XXXX-Y)を実装することで、1つのプロパティに対してデータを送信する方法です。
計測対象となるドメイン間でクロスドメイントラッキング設定を行うことで、ドメイン間をまたいで訪問したセッションを繋ぐことができます。
各ドメインごとの分析は、ビューで分けて行います。
ポイント!
各サイトに共通のトラッキングコード、共通のカスタムディメンションなどの設定を行うため、主に新規で計測設計を行う場合に用いられます。
複数のプロパティのデータを統合して、1つのレポートでデータを分析する方法です。
統合プロパティを作成し、読み込みたいプロパティを参照元プロパティとして設定することで、統合プロパティ上ですべてのデータが統合されます。
計測対象となるドメイン間でクロスドメイントラッキング設定を行うことで、ドメイン間をまたいで訪問したセッションを繋ぐことができます。
ポイント!
計測中のアナリティクスプロパティについてデータを統合可能なので、各ドメインですでに計測が行われている場合に向いています。
統合プロパティ作成時の制限について
●参照元プロパティが360化されたプロパティであること。
●参照元プロパティが同じアカウント配下に含まれていること。
(UA-XXXX-YY の XXXX が共通であること。)
※統合プロパティの作成にはGoogleへの申請が必要です。
統合プロパティのヒット数の扱いについて
統合プロパティのヒット数は、参照元プロパティのヒット数の50%分を加算したものになり、これが課金対象となります。
いかがでしたか?
クロスドメイントラッキングには、プロパティの設計によって2つの計測方法があります。自社にとって最適な方法を選んで、ぜひ活用してみてください。
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