アプリの成功を左右するカギ、それは「データの活用」です。ユーザー行動を深く理解し、アプリの価値を最大化するために、Googleが提供する Firebase は欠かせない存在となっています。今回は、シリーズ 「Firebaseでデータ計測を次のレベルへ!データの可能性を引き出す方法」 の第1弾として、Firebaseの概要と基本機能を解説します。
このシリーズでは、 Firebaseで計測を始める具体的な手順 や 参照元計測の強化方法、 WebView計測の注意点 など、実践的な内容をお届けします。Firebaseを使いこなして、データ分析をさらに進化させましょう!
※本記事の情報は2024年12月時点のものです。
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Firebaseは、アプリ開発から運用まで全体をサポートするように設計されたプラットフォームです。Firebaseはアプリの構築に役立つだけではなく、アプリのエンゲージメントを向上させたりユーザー行動を把握して分析することも可能で、一部の機能を除き、ほとんどの機能を無償で利用することができます。
もともとはFirebase社が開発したプラットフォームですが、Googleの買収により、2014年からGoogleのサービスになりました。現在は、Google Cloudのプロジェクトで利用できるサービスとして位置づけられています。
Firebaseでは各機能が構築・実行・分析という3つのカテゴリに分けられており、エンジニアがアプリを構築する段階から、アプリリリース後にマーケターが施策を実行して効果を分析する段階まで、アプリに関わるあらゆる業務をサポートする機能を提供しています。
まず「構築」では、サーバーを管理することなくアプリデータを保存・同期したり、認証機能を用いてセキュリティを強化する機能が提供されています。また、近年ではAI機能も強化されており、アプリでAI機能の構築もできるようになりました。
「実行」では、プッシュ通知を送信してユーザーにアプリ内の行動を促したり、アプリのパフォーマンスの確認やエラーを検知する等、ユーザーのエンゲージメントを向上させながら、快適にアプリを利用できる状態に保つための機能が提供されています。
「分析」では、その名の通りアプリの行動データの分析をすることができます。例えばアクティブユーザー数や各画面の表示回数、収益の金額などが確認可能です。
また、「分析」に該当する「Google アナリティクス for Firebase」の機能を利用すると、各アプリのコンバージョンとなる行動をキーイベントとして計測したり、施策を実行する条件ごとにオーディエンスを作成することが可能です。これらのデータを「実行」の機能を利用した施策で活用することで、高いパフォーマンスが期待できます。
上記の通り、Firebaseでは各業務をサポートする幅広い機能が用意されていますが、本記事では「実行」と「分析」に該当する、アプリの運用で利用できる代表的な機能をご紹介をいたします。
機能名 | 機能紹介 |
A/B Testing | アプリのUIやキャンペーンの変更をテストして、広く実装する前に主要な指標にどのような影響があるかを確認することができます。 ※プッシュ通知などの機能で、A/Bテストが可能です。 |
App Distribution | 開発用のアプリと本番用のアプリをテスターに向けて同時に配布することができ、ユーザビリティに関するフィードバックを受け取れます。 |
Cloud Messaging | 特定のユーザーグループに適切なプッシュ通知を送信することができます。プッシュ通知を送信後、ユーザーが開封した数や、CVを達成した数を確認することも可能です。 |
Crashlytics | クラッシュやエラーが発生した際に、アラートを受け取る設定が可能なため、クラッシュ等を迅速に修正することができます。 |
Google アナリティクス for Firebase | アプリの利用状況を計測してユーザー行動を把握し、Firebaseの各機能と連携したデータ活用が可能です。 |
In-App Messaging | 特定のユーザーグループに、ユーザーの行動と関心に基づいたメッセージをアプリ起動中に表示し、CV等のアプリ内行動を促すことができます。 |
Remote Config | ユーザーにアプリのバージョンアップをさせることなく、UIや導線の変更をすることができます。 ※事前にアプリでの調整が必要です。 |
ここまで「実行」と「分析」に該当する機能をご紹介してきましたが、イー・エージェンシーでは
「Firebase 向け Googleアナリティクス」を中心としたデータ基盤の構築や分析・活用をご支援しているため、ここからはFirebaseでアナリティクス機能を利用する方法やメリットについてご説明していきます。
Firebaseでアプリのユーザー行動を計測するには、「Firebase 向け Googleアナリティクス」を利用しますが、この機能は計測対象のアプリにアナリティクス用のFirebase SDKを実装する他、FirebaseとGoogle アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4プロパティ)を連携することで利用が可能になります。
これらの準備が整い、ユーザー行動の計測が開始されると、FirebaseとGA4プロパティの両方で計測されたデータが確認できるようになります。
「Firebase 向け Googleアナリティクス」を利用するためにGA4プロパティが必要で、FirebaseとGA4プロパティの両方でデータが確認できるのは不思議な状態ではありますが、これは「Firebase 向け Googleアナリティクス」だけでは実現できない高度な分析をGA4プロパティ側で行うために必要な対応です。
GA4プロパティはデータ分析に特化したプロダクトで、流入元の確認やコンバージョンに至るまでの経路の把握など、多くのレポートが用意されていますので、アプリのデータを分析する際は、ぜひGA4プロパティも併せてご利用ください。
「Google アナリティクス for Firebase」の利用を開始すると、Firebaseの他の機能を利用することができ、計測データを基にユーザーをターゲティングして施策を実行したり、その施策の効果測定が可能になります。
例えば、以下のようにアナリティクスのデータを活用することができます。
Cloud Messagingは、アプリにプッシュ通知を送信する機能です。プッシュ通知を送信する際は、アナリティクスのデータを基に、特定の条件に合致したユーザーのリスト(オーディエンス)をターゲット設定に利用することが可能です。
また、アナリティクス(GA4プロパティ)ではプッシュ通知の開封率を把握するだけでなく、プッシュ通知を開いたユーザーがその後どの程度の割合でCVを達成しているかを確認することができます。
Remote Configを利用するシーンは様々ですが、アプリのアップデートをすることなく、アプリの導線や色・文字・画像などを変更できることが特長の1つです。
こういったアプリのUIの変更をする際は、アナリティクスデータを用いて特定の条件に合致したユーザーのリスト(オーディエンス)をターゲットに設定することが可能です。
これにより、パーソナライズされたアプリをユーザーに提供し、UXの向上を図れます。
また、アナリティクスデータをベースにターゲティング設定した場合は、UIの変更の効果をアナリティクス側で確認することも容易です。
どんなに使いやすく評価が高いアプリでも、長期間に渡ってより多くのCVを達成し続けるには、アプリのユーザー行動の計測と分析が不可欠です。
Firebaseでは、アナリティクス機能を含む多くの機能が定期的にアップデートされ、ブラッシュアップされ続けていますが、それらの機能の仕様を理解し、正しく利用してくことが重要となります。
イー・エージェンシーでは、アナリティクスのスペシャリストを揃え、Firebase導入から計測開始までをご支援するサービスを提供していますので、サービスの詳細もしくは本記事に関するご質問などございましたら、ぜひお声がけください。
本動画では、イー・エージェンシーから「Google マーケティング プラットフォーム(GMP)」をご契約された際の「付帯サービス」や「具体的な成功事例」について、動画でわかりやすくご紹介します。
「 Google アナリティクスの無料版と有料版の違い」や「そもそもGoogle マーケティング プラットフォーム(GMP)とは何か?」など、GMPツールについてもご紹介しています。
イー・エージェンシーは、「Google マーケティング プラットフォーム(GMP)」の認定セールスパートナー、「Google クラウド プラットフォーム(GCP)」の認定パートナーです。
また弊社はGoogleより2021年上半期における Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)の数多くの導入支援実績を評価され、認定セールスパートナーとしてアワードを受賞しております。
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