Google アナリティクス 4 プロパティ（以下GA4）では、無料版でもBigQueryへのエクスポートができるようになりました。
従来のユニバーサルアナリティクス（以下UA）では、有料版にしかなかった機能です。
本記事では、GA4の中でも注目されている機能の一つであるBigQueryエクスポートに焦点を合わせ、GA4無料版・有料版でどんな違いがあるのか解説します。
GA4から BigQuery にイベントデータをエクスポートできます。BigQuery では、GA4のデータとの統合を目的に、データを外部ストレージにエクスポートしたり、外部データのインポートしたりといった使い方が可能です。GA4から BigQuery にデータをエクスポートする際に料金は発生しませんが、BigQuery で保存する際には、データの容量によって料金が発生します。
→BigQuery の料金について詳しくはこちら
これまでBigQueryエクスポートは、UAの有料版のみでサポートされていた機能です。
詳しくはUAのヘルプページをご確認ください。
・UAのヘルプページ
GA4のデータをBigQueryにエクスポートするメリットはどんなものがあるでしょうか。
ここでは、主なメリットを3点ご紹介します。
BigQueryはSQLタイプの構文を使ってデータにクエリを発行できるため、データの抽出・分割・統合などといった分析が容易になります。
その他、BigQueryはデータ処理が高速であることや、Webブラウザ上で起動できるといった特徴もあります。
BigQueryに外部データ（例：自社で保有する購買データなど）を取り込み、GA4のデータとかけ合わせた分析が可能になります。自社の顧客情報とのデータ統合など、活用の幅が広がりそうです。
先述の通り、GA4では無料版でもBigQueryへのエクスポートができるようになりました。
BigQueryエクスポートはUAでは有料版限定機能だったため、無料でBigQueryを試せる間口が広がったと言えるでしょう。
GA4では無料版でもBigQueryへのエクスポートができるようになったため、有料版にアップデートせず無料版のままでもいいのでは？とお考えの場合、注意点があります。
1日にエクスポート（デイリーエクスポート）できるイベント数には上限があり、無料版では100 万件に対し、有料版では数十億件とかなり大きな開きがあります。
ストリーミング エクスポートを使えば、BigQuery Export を介して当日の最新のデータを数分以内に入手できます。
ここでは、ストリーミング エクスポートを使う上で気を付けたい「3つのポイント」をご紹介します。
ストリーミングエクスポートには、新規ユーザーのユーザーアトリビューションデータは含まれませんので注意が必要です。
Traffic_source.name（レポートディメンション：ユーザーキャンペーン）
Traffic_source.source（レポートディメンション：ユーザーソース）
Traffic_source.medium（レポートディメンション：ユーザーメディア）
ストリーミングエクスポートには既存ユーザーのユーザー属性データが含まれるものの、そのデータを完全に処理するには最大24時間かかってしまいます。
この場合、ストリーミングエクスポートではなく「1 日のエクスポート」からユーザー属性データを取得するようヘルプページでも推奨されています。
詳しくはヘルプページをご確認ください。
・ヘルプページ
[GA4] BigQuery Export - Analytics Help
ストリーミングエクスポートはリアルタイムでのデータ処理をする場合に適した機能です。
リアルタイムでのデータ処理＜例＞
リアルタイムのダッシュボード作成、リアルタイムのデータ活用など
注意点として、ストリーミングエクスポートのデータは毎日削除されることと、データが継続的に入力されるため、完全なデータが必要になる場合は1 日のエクスポート（デイリーエクスポート）の利用が望ましいです。
ストリーミング エクスポート オプションを有効にした場合、テーブル「events_intraday_YYYYMMDD」が作成されます。2つのテーブルの違いは以下の通りです。
| テーブル名 | 説明 |
| events_intraday_YYYYMMDD |
ストリーミング エクスポート オプションを有効にすると作成される。継続的にデータが入力され、テーブル「events_YYYYMMDD」の作成が完了すると1日の終わりに削除される。 |
| events_YYYYMMDD | 1 日に 1 回、すべてのイベントがエクスポートされる。※毎日作成される。 |
詳しくはヘルプページをご確認ください。
・ヘルプページ
[GA4] BigQuery Export
テーブルについて
現在はイベント数がそれほど多くない場合でも、使っている間に上限を超えてしまうケースも考えられます。例えば、運営しているサイトのアクセス数が順調に伸び100万イベントを超えてしまう場合や、急にアクセス数が増加する場合があります。無料版を使い続けたい場合、イベント数が上限を超えないよう計測内容を精査して設計・運用する必要が出てきます。
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