Google アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4)の導入はお済みですか?
ユニバーサルアナリティクス(以下UA)からGA4に乗り換えた際、データ保持期間の短さに驚いた方もいるかもしれません。
今回はGA4とUAのデータ保持期間の違いや、期間が過ぎるとできなくなること、そして期間を延長する方法をまとめてご紹介します。
UAのデータ保持期間が最大50ヶ月だったのに対し、GA4は最大14ヶ月と1/3以下となっています。
これはGDPRやCCPAなどの世界的なプライバシー保護強化に対応したためです。
また、データ保持期間が過ぎた後に削除されるのは、「イベント単位およびユーザー単位の未加工のデータ」となっています。
GA4には、「イベント単位およびユーザー単位の未加工のデータ」と当日のデータを集計した「一定のシステム上の制限がある日次サマリー表」の2種類があります。
標準のレポート内にある、一般的によく利用されるディメンションと指標の組み合わせのレポートは「一定のシステム上の制限がある日次サマリー表」が参照されます。一方で、複数の指標を掛け合わせるなど複雑なレポートを作成する場合は「イベント単位およびユーザー単位の未加工のデータ」が参照されます。
自社のビジネスニーズに合わせたテクニカルな分析を行うには「イベント単位およびユーザー単位の未加工のデータ」が必要となるため、データ保持期間を延長し、データの削除を防ぐ必要があります。
※ 2023年11月より、レポートの種類を問わず「最適なデータソース」からデータを取得するように仕様変更がされました。
トレンドなどの傾向分析には長期的に収集した過去のデータが不可欠となります。
保持期間が短いと、利用できるデータの範囲が少なくなり、それだけ抽出したデータへの信頼性が薄くなると考えられます。
トレンドの分析と同様、セグメンテーション分析を行うためにも、長期的に収集した過去のデータが必要です。
より長期で多くのデータからセグメンテーションを行うことで、信頼できるデータが抽出できるようになります。
データを施策に繋げるためには、現在のデータと過去のデータを比較して変化を分析します。
例えば、「今後の施策の計画を立てるため、過去のキャンペーンのデータをもとにしようとしたが、データが消えていて分析ができなかった」など、過去のデータからのアクション分析が難しくなります。
データのビジネス活用において、過去のユーザーデータの分析ができなくなることは、デメリットと言えるでしょう。
また、データ保持期間を変更しても、変更したタイミングより以前のデータは、変更前の設定に縛られます。
そのため、なるべく早い段階でのデータ保持期間の延長が必要です!!
データ保持期間を延長するためには、2つの方法があります。
GA4には、様々な機能が使えるようになる有料版があります。
有料版にすることにより、データ保持期間が「イベントデータ」であれば最大14ヶ月から50ヶ月に延長されます。
また、有料版にすることにより、今回ご紹介した「データ保持期間の延長」だけでなく、「サンプリングの回避」や「(Other)の表示回避」「データセットの設定エラーの解消」「サブプロパティの作成」「Google広告連携におけるオーディエンス作成上限の緩和」「BigQueryへのエクスポートの上限緩和」「収集できるイベント上限の緩和」など、様々なメリットがあります。
※「ユーザーデータ」についてはデータ保持期間は延長されません。
GA4上でデータ保持期間を14ヶ月以上に延長することはできませんが、BigQueryとGA4を連携してエクスポートすることにより、擬似的に延長することが可能です。
ただし、BigQueryにエクスポートしたデータを抽出するためにはGA4のデータセットの知識とともに、SQLの知識も必要になります。
また、無料版のBigQueryエクスポートには、上限設定があり、1日あたり100万イベントまでとなります。
いかがでしたか?
繰り返しになりますが、データ保持期間を変更しても、変更したタイミングより以前のデータは、変更前の設定に縛られます。
そのため、なるべく早いデータ保持期間の延長が必要です。
イー・エージェンシーは、これまで培ってきた豊富な知見をもとに、Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)の導入・運用や、Google Cloud(Google Cloud Platform/GCP)によるデータ統合、広告連携、アトリビューション分析、広告やメールなど顧客へのアプローチ施策の効果改善など、データ活用全般を支援しております。
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