GA4レポートの落とし穴 ”サンプリング”とは?原因と確認方法、回避策3選を解説!

GA4レポートの落とし穴 ”サンプリング”に要注意!

最終更新日:2025年7月2日
公開日:2023年2月9日

GA4のレポートを見て、「この数値、本当に正確なのかな?」と不安に感じたことはありませんか?
その原因は、データの「サンプリング」かもしれません。

Google アナリティクス 4 プロパティ (以下GA4) におけるサンプリングとは、全データの一部だけを使って全体を推測する処理のことです。大量のデータを処理するために使用する手法として知られる便利な手法ですが、気づかないうちにデータの精度が落ちている可能性があり、正確な分析のためには注意が必要です。

この記事では、GA4でサンプリングが起こる原因から、今すぐできる確認方法、そして具体的な3つの回避策まで、初心者の方にも分かりやすく解説します!

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そもそもGA4の「サンプリング」とは?仕組みを解説

サンプリングとは、大量のデータを処理するために使用される手法で、一部のデータから、全体を予測することです。

この一部のデータが占める割合のことを「サンプリングレート」と呼びます。このサンプリングレートの割合によって、レポートの精度が変わります。

例えば、サンプリングレートが50%の場合は、全てのデータの中から半分だけを対象にして残りの半分を推測して分析を行うことになります。

サンプリングレートが高いほど、分析対象となるデータが多くなり、レポートの精度が高くなります。

効果的なデータ活用には、より正確なデータを使ったデータ分析が必要になるため、サンプリングレートをできるだけ高くする、もしくはサンプリングされることを回避することが重要です

 

サンプリングが発生する具体的な条件は「1,000万イベント」を超えること

GA4では、レポートの種類に関わらず、クエリごとに1,000万イベントを超えると、サンプリングが発生します。
Eコマースサイトやゲームサイト、メディアサイト、SNSなど、高いトラフィックを持つサイトは、1,000万イベントを超える可能性があるため特に注意が必要です。

 

サンプリングが発生しているか確認する方法

それでは、GA4でサンプリングが発生しているか、確認をしてみましょう。
左ナビゲーションから「探索レポート」をクリックし、任意の探索レポートを作成します。

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画面右上の「!」アイコンにカーソルを当て、「サンプリング率の高いデータ」と表示される場合、サンプリングが発生しています。
以下の方法でサンプリングの回避が必要です。

サンプリングを回避する3つの方法

それではサンプリングを回避するにはどうしたら良いのでしょうか?
サンプリングを回避する具体的な方法を、手軽に試せる順に3つご紹介します。

方法1 【一番簡単】
分析期間を短くする(期間で「日付」を絞り込む)

最も手軽な方法が、分析する期間を短くすることです。期間を絞り込むことで対象のイベント数が減り、サンプリングのしきい値である1,000万イベントを下回れば、サンプリングは発生しません。

項目 詳細
メリット 追加費用や専門知識が不要で、誰でもすぐに試せる。
デメリット 長期的な傾向分析には向かない。

 

方法2 【中級者向け】
BigQueryにエクスポートして分析する

BigQueryとGA4を連携して直接エクスポートすることによって、サンプリング前のデータを活用できます。
ただし、BigQueryにエクスポートしたデータを抽出するためにはGA4のデータセットの知識とともに、SQLの知識も必要になります。
また、Googleシグナル由来のデータは含まれないことに加えて、GA4のユーザー数は統計を元に算出(2%程度の誤差が発生)しているため、GA4のレポートとユーザー数やセッション数が異なる場合があります。

項目 詳細
メリット 元データ(生データ)を分析できるため、最も正確な分析が可能。
デメリット SQLの専門知識が必要。無料版にはエクスポート上限がある。

また、無料版のBigQueryエクスポートには、上限設定があり、1日あたり100万イベントまでとなります。BigQueryエクスポートが停止してお困りの方は、以下の記事も是非ご参考ください。

GA4からBigQueryへのエクスポートが停止された!解決方法とは
https://googleanalytics360-suite.e-agency.co.jp/column/20230620_01

 

方法3 【根本解決】
GA360にアップグレードする

GA4には、様々な機能が使えるようになる有料版があります。
無料版のGA4では、クエリごとに1,000万イベントでサンプリングが発生しますが、GA360では、上限数が10億イベントに大幅アップします。

項目 詳細
メリット サンプリングの上限が10億イベントに大幅緩和され、データ保持期間も延長されるなど恩恵が大きい。
デメリット 費用がかかる。

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サンプリングを回避するためには、アップグレードに加え、以下の設定が必要です。

 

◼️設定方法

探索レポートの右上にある「データ品質アイコン」をクリックし、プルダウンから「精度の高い結果」を忘れずに選択しましょう。
これにより、サンプリングの影響を最小限に抑えることができます。

迅速な結果(デフォルトの設定):

より小規模なサンプルサイズ(1 億イベント)を使用して、速やかに結果を得られます。
こちらがデフォルトの設定となっています。

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精度の高い結果:

最大限のサンプルサイズ(10 億イベント程度)を使用して、データセットの全容を正確に反映した結果を得られます。
「精度の高い結果」を選択し、「このレポートは、利用可能なデータの100.0%に基づいています。」と表示された場合、サンプリングが発生していないことになります。
ただし、データが表示されるまで、数十秒程度の時間がかかることをご留意ください。

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※追記:2023年2月20日

また、有料版にすることによりサンプリングの回避だけでなく、データ保持期間の延長Google広告連携におけるオーディエンス作成上限の緩和など、様々なメリットがあります。


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【Q&A】GA4のサンプリングに関するよくある質問

GA4のサンプリングに関する、よくあるご質問をご紹介します。

Q1. なぜGA4ではサンプリングが行われるのですか?
A1. GA4では膨大な量のデータを処理しています。すべてのデータを毎回計算しているとレポート表示に非常に時間がかかってしまうため、一部を抽出して高速に結果を返す「サンプリング」という仕組みが採用されています。

 

Q2. 無料版のGA4では、サンプリングを避けることは不可能ですか?
A2. いいえ、不可能ではありません。本記事で紹介したように、分析期間を短くしたり、BigQueryと連携したりすることで、無料版でもサンプリングを回避することは可能です。ただし、手間や専門知識が必要になる場合があります。

 

あなたの状況に合わせた最適なサンプリング回避策は?

ここまで、GA4のサンプリングを回避する3つの方法をご紹介しました。

  • まずは手軽に試したい方 → 分析期間の短縮
  • 専門知識があり、コストをかけずに正確なデータを見たい方 → BigQuery連携
  • 今後、本格的にデータ活用を推進していきたい企業様 → GA360へのアップグレード

特に、BigQueryの活用は非常に強力ですが、「SQLの知識を持つ人材がいない」「設定方法が複雑で分からない」といった課題も多く聞かれます。

株式会社イー・エージェンシーは、これまで培ってきた豊富な知見をもとに、お客様の状況に合わせた最適なGA4の活用方法をご提案します。BigQueryの導入支援から、SQL不要でデータを可視化する環境の構築まで、データ活用に関するあらゆるお悩みを解決いたします。
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この記事を書いた人
神崎 恵

マーケティングプランナー 新卒でイー・エージェンシーに入社。 デザイナー兼マーケティングプランナーとして活動しています。ウェビナーやトレーニング動画の編集にも従事。