クラブツーリズム様 GA4、Looker Studio導入・データ活用事例 「感覚」と「経験」から脱却し、「数値」に基づくサイト構築・運営が可能に

クラブツーリズム株式会社は、お客さまそれぞれの趣味や趣向に特化したテーマ型ツアーの企画・提供を得意とする旅行会社です。シニア層をターゲットとした旅行商品が中心となるため、従来は紙カタログからの集客を中心としていましたが、時代の変化を受け、近年はWebでの集客も重視。ユニバーサルアナリティクス(以下、UA)からGoogle アナリティクス 4 プロパティ(以下、GA4)への移行に際してLooker Studioの本格活用を開始するなど、データマーケティングの強化に取り組んでいます。その狙いと成果について、同社顧客マーケティング部でWebを用いた顧客コミュニケーションを統括する岸本様に伺いました。

クラブツーリズム株式会社
顧客マーケティング部 課長
岸本 麻里様(写真右)

GA4+Looker Studioの導入でデータの民主化を目指す

クラブツーリズムは2023年7月からGA4を利用開始していますが、そこにどのような狙いがあったのかを聞かせていただけますか?

岸本様:GA4導入以前はUAを利用していたのですが、当時は正しく使いこなしてPDCAを回せる熟練者が数名しかいないという課題がありました。もちろん、残りのスタッフが全く触っていないわけではないのですが、複雑なことをやるには熟練者の手を煩わせねばならず生産性を上げにくい部分があったのです。

そこでGA4導入のタイミングでLooker Studioも広く展開し、これまできちんと触ってこなかったメンバーにも数字を分かりやすく視覚化し身近に感じてもらえるようにしました。

いわゆる「データの民主化」的なことを、このタイミングで目指したわけですね。

岸本様:そうですね。また、私たちが分析した結果の一部は、実際にツアーを企画造成する部門にフィードバックされるのですが、数字の取り方が人によって異なるため、同じ分析をしているはずなのに結果が違ってしまうことがあるという問題もありました。そこで、こちらについてもLooker Studioを通すことで統一された分析結果を共有できるようにしています。

今回、イー・エージェンシーにはその導入の支援とレポートのテンプレート作成をお願いしました。テンプレート作成については、しっかりと社内にヒアリングをしていただき、必要なものを短期間で作っていただけたのがありがたかったですね。

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イー・エージェンシー提供の研修で、顧客マーケティング部メンバーの多くがGA4の基本的な使い方を学習

GA4およびLooker Studio導入当時、社内にはそれらを使いこなせる人材があまりいなかったということですが、導入後はどのようにしてトレーニングをしているのでしょうか?

岸本様:導入の翌月、2023年8月にイー・エージェンシーに依頼して社員向けの研修を2回行いました。1回目はLooker Studioの使い方を、2回目は探索レポートの使い方を教わっています。結果、顧客マーケティング部の担当スタッフについては、ほぼ知識がゼロのところから始めていただき、新規レポートを作るというところまでは問題なくできるようになりました。

イー・エージェンシーの研修について、受講されたスタッフの皆さんからはどのような感想がありましたか?

岸本様:作っていただいたテンプレートを複製して簡単な設定をするだけでほしい数字が一括で見られるようになっていたこともあり、「分かりやすかった」という声がとても多かったですね。もくろみ通り数字を身近に感じるようになったスタッフも少なくありません。ただ、当然ながら2度の研修だけでは覚えきれないこともあり、継続して地道に学習と啓蒙活動を続けて行く必要があるとも感じています。

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サイト改修においてすでに多くの成果を上げているGA4+Looker Studio

導入してからまだそれほどの期間が経っているわけではないのですが、現時点での手応えについてお聞かせください。

岸本様:現在、GA4およびLooker Studioを使ってクラブツーリズム公式Webサイト「特集」ページのPDCAを日々回しています。この際、それぞれの担当者が自分の担当ページについて、あらかじめ設定した目標数値を意識した改修を、数字を確認しながら追えるようになったことが最も大きな成果だと思っています。

具体的にはどのような改修を行い、どういった成果を上げているのでしょうか?

岸本様:では2つの成果を紹介させてください。1つ目は、特定地域のツアーをピックアップした特集ページから一覧ページへの遷移率が低いという問題の解決です。このケースでは分析結果から、CTA(Call to Action)ボタンの文言が全て「その他のツアーはこちら」となっていることでお客さまが混乱しているのではないかという仮説を立てました。そこで、それぞれ文脈に応じた「アジア行きのすべてのツアーを見る」といった文言に変更したところ、ツアー一覧ページへの遷移率が約126%改善しています。

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岸本様:そしてもう1つが、海外ビジネスクラスツアー特集ページから、ツアー詳細ページへの遷移率の改善です。この特集ページにはそれぞれのツアーについてかなり細かなテキスト情報が高密度に記載されていたため、お客さまが内容を把握しきれずに離脱していると仮説。デザインを工夫することで、重要度の高い情報が目にとまりやすくしたほか、詳細ページに遷移するためのCTAボタンも大きく目立つものを追加しました。結果、遷移率が約134%改善しています。

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数値の見える化によって働き方まで大きく変わった

ご紹介いただいた成果はどちらも素晴らしいものですが、数値では測れないような成果についてはいかがでしょうか? 定性的な成果、たとえばスタッフの意識の変化などがありましたら、ぜひお聞かせください。

岸本様:意識の点でも大きく変わったなと感じています。実は今の顧客マーケティング部のメンバーは、ほとんどが販売現場でツアーを作ってきた経験のある者たちなので、サイト制作から改善にいたるまで、良くも悪くもこれまで培ってきた肌感覚に頼っていたところがあります。また、長いこと紙媒体での表現を中心にやってきたこともあり、サイトの画面やその改善についても紙の考え方が根底にありました。

ただ、今回、GA4とLooker Studioをきちんと活用できるようになったことで、これまでの「感覚」や「経験」だけではなく「数字」を指標として成果を求めるサイトの制作・改善ができるようになりました。

なるほど。しかし、それはある意味でこれまでのやり方の否定でもありますよね。販売現場からはネガティブな声は上がっていないのでしょうか?

岸本様:いえ、それが逆なんです。自分たちの改修の成果がすぐに数値で確認できるようになったことで、むしろモチベーションが上がっています。もちろん結果がマイナスに出ることもあるのですが、それもすぐに対応できるのがWebの強みですよね。データを常に可視化して確認できることで私たちの働き方が大きく変わったのを実感しています。

今後の活用についても教えていただけますか? たとえば、サイトの制作・改善で得た知見をツアー開発に取り入れるといったことは予定されていないでしょうか?

岸本様:やってみたい気持ちはあるのですが、流入キーワードやトレンドをツアーに組み込んで発売するまでのタイムラグをどう埋めるのかという課題があり、現時点ではまだ難しいと考えています。

ただ、私たち顧客マーケティング部と、ツアーを開発する販売現場の距離は縮まっており、顧客マーケティング部兼務でサイト制作にも参加しながら、ツアー開発にも携わり2部署を取り持つメンバーも現れました。もちろん、GA4、Looker Studioも大いに活用されており、数字を扱うにしても、分析を行うにしても、融合がしやすくなっているのを感じますね。

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我々のビジネス、状況を理解した適切なサポートに感謝

今回、イー・エージェンシーが、GA4の導入支援だけでなく、具体的なサイトの改修まで踏み込んだサポートをさせていただいているとのことですが、一連のやり取りにおいてお気づきになられたことはありますか?

岸本様:まず何より、弊社の事業内容、状況を深く汲み取っていただけていることに感謝しています。新型コロナ禍が長く続いたことにより旅行業界を含めた観光業は特に人材面で大きな影響を受けました。我々顧客マーケティング部の要員も決して潤沢ではありませんでしたが、そのような状況の中で不足するリソースをイー・エージェンシーの皆さんが先回りして担ってくださいました。結果として、UAからGA4への移行もスムーズに進んだのではないかと考えています。

今後、イー・エージェンシーに期待することなどございましたら、ぜひ。

岸本様:今後、紙カタログや電話などで得たデータも含め、さらに高度な分析をしていくことになるのですが、そのためには卓越した専門知識でこれまでの固定概念にとらわれない分析や改善の提案をしてくれるパートナーが必要だと感じています。イー・エージェンシーにはそうした点で、これまで以上にお力を貸していただきたいですね。

ところで今、人材が不足しているというお話がありましたが、クラブツーリズムではどういった人材を必要としているのでしょうか?

岸本様:やはり今必要なのはデータを扱える人材ですね。旅行代理店として多数のお客さまと接点を持つ弊社は本当にたくさんのデータを取り扱っており、それを利用したさまざまな分析をいろいろな角度から行うことができるので、データ活用に興味のある方々に魅力を感じてもらえるのではないでしょうか。

先ほどもお話ししましたが、今後はWeb以外のデータも複合的に活用していくことを考えています。主要なお客さまがシニア層ということでアナログなことをやっているのではないかと思われがちなのですが(笑)、意外に積極的にデータ活用を行っているんですよ。

クラブツーリズム 【CLUB TOURISM Recruiting  好きを仕事に。】 

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ただ漠然と導入するのではなく、具体的な計画を持つことが大事

最後に、GA4やLooker Studioを使ったデータ分析を推進していこうと検討されているお客さまにメッセージをお願いします。

岸本様:GA4を導入するかしないかを今、検討されている方々にお伝えしたいのは、焦らず慎重にじっくり検討してほしいということですね。正直なところ、導入すること自体はそんなに難しくはないのですが、入れただけでは駄目で、どうデータを活用していくかがなにより大切です。ですので、導入時にはそこまでの腹づもりというか、きちんとした計画を持っておくようにすべきでしょう。

そのためには社内にデータ活用環境の設計までをできる人材がいることが重要なのですが……それはかなりのレアケースだと思いますので、私たちのように外部の力を借りて導入するというのが正しいやり方だろうなと思っています。もちろん、そこにコストは発生するのですが、後々の活用と期待できる成果さらに人材育成という点を考えれば、結果として安いものだと言えるでしょう。少なくとも、私たちはイー・エージェンシーの支援を受けたおかげで、大きな成果を得られたと高く評価しています。

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この記事を書いた人
マーケティングチーム

GMP プレミアムサロンの企画運営担当
GMP プレミアムサロンを企画運営するマーケティング担当者で構成されています。Googleの最新情報の発信やウェビナー運営、動画・ダウンロード資料制作などマーケティング全般を手広く手掛ける縁の下の力持ち。
マーケティングのみならず、デザインやライティングに強いメンバーが集まった、陽気なチームです。
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