TBSグループ様 GA4導入・データ活用事例 「TBS ID」普及拡大に向けてGA4を導入。公式Webでのデータ利活用を加速

報道、ドラマ、バラエティなど、日々、魅力的なテレビ番組を世に送り出しているTBSグループ。同社では、2022年5月に掲げた中期経営計画「TBSグループ VISION2030」のもと、メディアグループからコンテンツグループへの変革を進めるとともに、デジタルビジネスの拡張・多角化を進めています。そうした中、同社のこれからのデジタル戦略の要となる「TBS ID」のデータ解析および公式Webのアクセス解析に、Google アナリティクス 4 プロパティ(以下、GA4)の採用を決定。ここではその導入に携わった中核メンバーの皆様にGA4導入の手応えと、イー・エージェンシーの貢献について伺います。

株式会社TBSホールディングス
マーケティング局
ビジネス戦略部 兼 TBSグループID事務局
藤居 翔吾 様(写真右)

株式会社TBSグロウディア
IT事業本部 インターネットモバイル部
菅原 風赴 様(写真中央 右)

株式会社TBSグロウディア
IT事業本部 インターネットモバイル部
副部長
野宮 由起子 様(写真中央)

株式会社TBSテレビ
総合プロモーションセンター プロモーション部
高島 瑞希 様(写真中央 左)
  
株式会社TBSグロウディア
IT事業本部 インターネットモバイル部
山内 慈照 様(写真左)

TBSグループの強みを最大化するべくGA4導入を決意

今回、TBSグループでGA4を導入するに至った経緯をお聞かせください。

藤居様:私の所属するマーケティング局では、2023年10月より、グループの各種サービスを1つのIDで利用できるようにする「TBS ID」という取り組みをスタートしています。これまではグループ各社が運営する個々のサービスがそれぞれ独自の会員基盤を持っており、データがサイロ化されていました。TBS IDにはこれらを統合し、横串で各サービスとそのデータを連携させ、グループとしての強みを出していく狙いがあります。

GA4はそのデータを蓄積・分析する基盤として採用しました。GA4を選んだ理由は、Google アナリティクスがアクセス解析ツールのデファクトスタンダードであり、広く利用されているためです。学習コストや運用負担を考慮し、デジタルマーケティング領域で広く利用されているツールを選択することが最適と判断しました。

現時点では、TBS IDの導入は動画配信サービス「TBS FREE」や「TBSチケット」など一部のサービスに限られていますが、今後、対応サービスを順次拡大する予定です。
2027年度までにECサービスなどTBSグループで保有しているサービスにも展開し、アカウント数を数百万規模に拡大する計画です。

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つまり、GA4導入の背景にはTBS IDの登場があったのですね。

藤居様:その通りです。

高島様:それと並行して、私たちプロモーション部が管轄し、野宮らの所属するTBSグロウディアが運用するTBSの公式Web(www.tbs.co.jp)においてもGA4を導入しようという動きがありました。TBSグループでは、2030年に向けた中期経営計画として「TBSグループ VISION2030」を掲げています。これは、デジタル化やグローバル化が進む時代に対応して、放送事業だけでなくさまざまなメディア領域で新しい価値を創造することを目指すというもの。テレビ・ラジオ・配信などの枠を超えたコンテンツ作りやデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速、社会課題への貢献、グローバル展開などを通じてTBSグループを「持続可能なメディア企業」へと進化させ、人々や社会にとって必要不可欠な情報・エンターテインメントを提供していこうと謳っています。その具体的な取り組みの1つに、デジタル配信や関連グッズの通販、イベントなどで、コンテンツ価値の最大化を目指す拡張戦略「EDGE(Expand Digital Global Experience)」があり、今後は公式Webの番組ページからショッピングサイトに移動して買い物をしたり、配信サービスに移動して番組を視聴したりといった動きを捕捉し、その流れを加速していきたいという思いがあったのです。

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公式WebではこれまでGA4のようなツールは使っていなかったのでしょうか?

高島様:独自の計測システムは入っていたのですが、GA4と比べると機能的にも、操作性の点でも使いやすいものではなく、あまり有効に活用されていませんでした。

野宮様:そもそもテレビ局はコンテンツ力が圧倒的に強く、検索結果1位になるのが当たり前で、あまり真剣にSEO対策に取り込んでこなかった歴史があります。番組ページもその入れ替わりに合わせて作っては消していくもので、データを見ながらブラッシュアップしていこうという意識が希薄だったのです。しかし、今どきのデータの分析の潮流に乗り遅れている感もありましたし、今後のプロモーションのためにもデータ利活用の仕組みを作って行くべきだと考えていました。

そうした中、2024年10月に公式Webのリニューアルが計画されていたため、このタイミングでのGA4導入を社内に提案しました。その中でマーケティング局がTBS ID導入を軸にグループ全体に向けたGA4導入に動き出していることが分かり、まずは私たちが担当している公式Webのトップページおよび番組ページから取り入れていくことになったのです。

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手厚いサポートと充実した学習環境がイー・エージェンシーを選んだ理由

TBSグループへのGA4導入のパートナーにイー・エージェンシーを選んだ理由をお聞かせください。

藤居様: GA4の導入はあくまでスタートであり、その後の運用や活用こそが重要だと考えていました。しかし、データを蓄積し、運用・分析を進めていく過程で、さまざまな課題に直面することが予想されました。特に、マーケティング局も対応リソースに限りがあるため、より効率的に導入と活用支援を進める必要があり、スムーズな導入だけでなく、長期的な運用支援が不可欠だと感じていたのです。

そこで、導入や運用の支援を手厚く提供してくれるベンダーを選ぶことが重要だと考えました。その点、イー・エージェンシーはセミナーやオンラインサポートを積極的に実施しており、実践的な支援を受けられる点が魅力的でした。特に、「GMP プレミアムサロン」では多くのGA4活用記事が公開されており、GA4の知見がない企業や部署にも「まずはこれを見て学びましょう」と伝えられる環境が整っているのが大きなメリットでした。

以前の業務でイー・エージェンシーとお付き合いがあったことも、今回の決定を後押ししました。特に導入時の情報を残しやすい形で資料化していただけたことが印象的でした。社内ではジョブローテーションで人が入れ替わるため、継続的に運用できる環境を整えることが重要になります。その点、運用の判断基準や仕様が資料として残り、内部での引き継ぎもスムーズに行えます。さらに、導入自体もフォーマット化されているため、困ったときにはイー・エージェンシーのサポートが受けられる安心感がありました。

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知見ほぼゼロの状態から二人三脚でGA4導入に挑戦

イー・エージェンシーとの契約締結後、どのようにGA4を導入していったのかをお話しください。

藤居様:イー・エージェンシーと契約を締結したのが2024年7月。そこからすぐに10月の公式Webリニューアルに向けてGA4導入プロジェクトが開始になりました。

高島様:まずは、どういった数値を取りたいのか、新しい公式Webが目指すKPIは何なのかを決めるところから考えています。

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どのようなKPIを設定したのでしょうか?

高島様:大きく2つあります。1つは公式Webを放送以外の番組関連サービスにも回遊してもらえるサイトにすること。もう1つは番組ページを見てくださった方が、ちゃんと地上波放送を見てくれるよう誘導することです。イー・エージェンシーには、この2つを実現するためにGA4をどう組み込んでいくかの相談に乗っていただきました。相談というか、スケジュール管理などまでやっていただきましたね。これをやったら次はこれをやりましょうとお尻を叩いてもらいながら進んでいきました(笑)。

野宮様:先ほどもお話ししたよう、私たちにはアクセス解析の知見が全くありませんでしたから、本当にゼロからサポートしていただくかたちでしたね。たとえば当時は「ページが見られている」ことをどう判断するのかから分からなかったのですが、そうした初歩的な質問についてもとても丁寧に対応してくださいました。やりとりは主にBacklogで行っていたのですが、あれもこれもとものすごい量の課題が積み上がり、イー・エージェンシーの皆さんに大変な苦労をおかけしました。おかげで私たちの中にアクセス解析の「土台」ができたのではないかと考えています。

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的確なアドバイスでGA4導入と活用を支援

公式Webリニューアル作業時のイー・エージェンシーとのやり取りの中で、具体的にお話しいただけることがありましたら、ぜひ。

菅原様:いただいたアドバイスの中で特に印象に残っているのが、公式Webの各ページを番組情報ページと、送客のためのページの2軸に分ける考え方ですね。実際にはその両方の機能を持つページもあるので3種類になるのですが、この考え方を提示されたことで、すごく明瞭に設計が進むようになりました。

あとは、先ほど高島の話にもあった番組ページを見た人が地上波放送を見てもらえるようにする取り組みの評価ですね。地上波放送はインターネットと分断されているので、それをどう公式Web上の数値と結びつけるのかの相談にも乗ってくださいました。

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山内様:実装の面でも大変お世話になりました。たとえば、ページ内にiframeで埋め込まれた動画がどれくらい再生されたのかは通常では取得できません。そこを相談したところ、動画イベントの計測まわりを整えてくださり、iframe内の再生数も取得できるようになりました。相談したら迅速に対応してもらえたのもありがたかったですね。

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データ分析だけでなく、社内のデータ利活用に向けた意識改革にも成功

2024年10月に公式Webのリニューアルが実施され、トップページおよび各番組ページでのGA4の稼働が開始しました。それから約3か月が経過した現在(取材は2024年1月末に実施されました)、その成果と今後の取り組みについてお話しください。

高島様:GA4導入に際し、これまで各担当が各々のルールで設定していたパラメーターについても整備していただき、出稿した広告からどのような流入があり、どのような動きがあるのかを可視化することができました。また、地上波視聴への公式Webの寄与についてもイー・エージェンシーと一緒にレポーティングできましたので、今後は、それらを広告施策や番組ページの改善、パブリシティなどに役立てていくつもりです。

野宮様:公式Web回りではこのほか、利用頻度の高い情報を一覧できるダッシュボードも作成しました。これにより、Web運営において知りたい日々のアクセス動向を即座に確認できる環境を得ることができたこともGA4導入の大きな成果の1つだったと思っています。

ただしダッシュボードは便利な反面、特定の仮説の検証など踏み込んだ用途には使えません。そこで今後は、より深い分析を実現すべく、探索レポートの活用に取り組んでいく予定です。TBSグループからも、公式Webリニューアルを機にデータ分析などのデジタルマーケティング領域により踏み込んでいくことを求められており、こうした分野に強い山内を先頭に、イー・エージェンシーに伴走してもらいながらまさにこれから走り出そうとしているところです。

藤居様:公式WebにはまだTBS IDを導入できていないため、本来の目的達成にはこれから取り組むべき課題が残っています。しかし、マーケティング支援観点では、データを活用して公式Webを改善していこうとする意識が芽生えたことは大きな成果だと感じています。この取り組みは、今後GA4をグループ内に拡大していくうえで、良いモデルケースとなり、展開の足がかりになると考えています。

今後の取り組みとしては、サーバーサイドGTMの導入を検討中です。
公式Webは特にiOSユーザーの利用が多く、毎週の放送・クール単位(四半期)で動向を見ることが多いので、より正確に行動を捉えられることが期待されます。この取り組みはすでにイー・エージェンシーと進めており、近い将来、その成果をご報告できる見込みです。

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GMP プレミアムサロンなどを駆使してチーム全体のリテラシー向上を目指す

期待されていたトレーニング環境の充実についてはどのようにご評価いただけましたか?

野宮様:実際にGA4が稼働するまでの間、GMP プレミアムサロンで基本的なことを学ばせていただきました。今後は、実際にGA4を触って得た知見を踏まえ、改めて見直してみようと思っているところです。

なお、GMP プレミアムサロンについては今後、GA4を利用するメンバーが増えるのに合わせ、より多くの人に共有し、データ利活用を加速していく助けにしたいと考えています。2〜3月にはオンラインでの講習会もお願いし、チーム全体のリテラシーを底上げしていきたいですね。そうして得た知見が公式Webのみならず、TBSグロウディアで取り組む別の事業にも活かされるだろうと期待しています。

山内様:今後はより多くのメンバーがGA4に触っていくことになると思います。TBS公式サイトが担う役割や番組視聴やコンテンツ回遊に結びつけるという軸、番組のサイトを分析する目的はメンバー間でブレないようにしたいですね。また、同じ分析をしているのに人によって数値が異なってしまったなんてことにならないように注意も必要です。イー・エージェンシーのオンライン講習会で基本を学んだ後も、GA4を使う上でのTBSならではの注意点などの共有をしていこうと考えています。

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膨大なアクセスデータを番組の価値向上などにも活用していきたい

最後に、今回の取り組みの手応え感と、今後、イー・エージェンシーに期待する事をお聞かせください。

藤居様:部の目標はTBSグループ全体に向けたTBS ID導入を通じてマーケティング支援を行うことなのですが、裏テーマとして、データの民主化や組織全体のデータ活用への意識向上がありました。データに基づく意志決定やマーケティング思考を日々の業務に根付かせていきたいと考えていて、GA4の導入は良いきっかけになったと評価しています。

今回の導入で、より広範囲にデータを取得できるようになりましたが、GA4だけでは拾えない情報もたくさんあります。今後は、GA4をデータ分析基盤として、さらに収集するデータを拡充していく取り組みを進めていきたいと考えています。イー・エージェンシーサポートを受けながら、これまで以上にデータの利活用を加速していきたいです。

高島様:まだ、GA4を使い始めて3か月程度しか経っていないのですが、改めてTBS公式Webにとても多くのお客さまがアクセスしてくださっていることを実感しています。本格的な解析はまだまだこれからなのですが、きちんと分析することで、サイトをより良くしてったり、プロモーション部でやっている宣伝活動の成果を評価・最適化していくことに役立てたりしていきたいですね。公式Webに集まってくるデータを上手く活用すれば、番組自体の価値をさらに向上できるとも思っており、そうした未来に向け、イー・エージェンシーにはさらにがっちりサポートしていただければと思っています。これからもよろしくお願いいたします。

イー・エージェンシーは「Google マーケティング プラットフォーム(GMP)」、「Google Cloud(GC)」の認定パートナーです。

イー・エージェンシーは、これまで培ってきた豊富な知見をもとに、Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)の導入・運用や、Google Cloud(GC)によるデータ統合、広告連携、アトリビューション分析、広告やメールなど顧客へのアプローチ施策の効果改善など、データ活用全般を支援しております。

まずは、お気軽にサービス資料請求、またはお問い合わせください。
みなさまのデータ活用をご支援させていただきます。

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この記事を書いた人
マーケティングチーム

GMP プレミアムサロンの企画運営担当
GMP プレミアムサロンを企画運営するマーケティング担当者で構成されています。Googleの最新情報の発信やウェビナー運営、動画・ダウンロード資料制作などマーケティング全般を手広く手掛ける縁の下の力持ち。
マーケティングのみならず、デザインやライティングに強いメンバーが集まった、陽気なチームです。
GMP プレミアムサロンがよりお客様の役に立つプラットフォームとなるよう、皆様と共に育てていければと思っています!