「媒体ごとの管理画面で数値がバラバラで、どこに予算を投下すべきか判断が難しい」「各媒体のコンバージョン数を合計すると、実際の売上と乖離してしまう」……。現場で繰り返されるこうした課題に頭を悩ませていませんか?
2026年1月、Google アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4)の「広告」セクションが大幅にアップデートされました。
昨年から行われてきた広告データのインポート機能の強化に加えて、今回のアップデートから見えてくるのは、「複数媒体のデータをGA4という一つの土俵に載せ、共通の物差しで評価する」仕組みの強化です。
これまではサイト内の挙動分析とクロスチャネルでの流入分析が主だったGA4ですが、他媒体の広告キャンペーンデータの取り込みにより、Google以外も含めた広告キャンペーンの評価を行うことができます。また、今回のレポートの改善により、チャネル別でのAIによる着地予測、予算配分のシミュレーションが行えるようになり、広告担当者は「点」ではなく「線」でチャネル間の貢献度を捉え、より根拠に基づいた意思決定が可能になります。
本記事では、新しくなった広告セクションの主要機能と、それらが日々の運用実務をどう変えるのか、詳しく解説していきます。

INDEX
新セクション)
媒体を横断して成果をレポート化「コンバージョン(ベータ)」
新設された「コンバージョン(ベータ)」レポートでは、Google広告に加え、Meta広告やTikTokl広告などのキャンペーンの成果を同一画面で参照できます。媒体ごとに異なる計測基準をGoogle 広告の指標に合わせられるため、チャネルを横断した正確な費用対効果の比較・分析が可能です。
※本アップデートで対象となるコンバージョンは現時点で「ウェブ」のみです。アプリのコンバージョンは今後のアップデートで追加される予定です。
- コンバージョン パフォーマンスレポート
- コンバージョン アトリビューション分析
- データドリブン
- ラストクリック
- コンバージョンのアトリビューション モデル
コンバージョン パフォーマンスレポート
Google広告に加え、インポートしたMeta広告やTikTok広告といった他の広告媒体も含めた「チャネル横断でのパフォーマンス(CPA・ROAS)」を一元管理できるようになりました。
GA4からGoogle広告にインポートしているコンバージョンと紐づけることで、媒体ごとの予算配分の最適化に役立ちます。
コンバージョン アトリビューション分析による多角的な評価
コンバージョンの最終接点だけでなく、そこに至るまでの接触(アシスト)の数値化も可能です。
「データドリブン」モデルでは、「単一」と「複数」のタッチポイントを分離して評価できるため、CVへの単独の決定打(単一)か、検討を支えたアシスト(複数)かを、より明確に区別して把握できます。

「ラストクリック」モデルを選択すると、コンバージョンの最終接点(ラストクリック)だけでなく、それに至るまでに貢献した「アシスト数」を確認できます。 ラストクリックだけでは見落としがちな、動画広告やSNSなど「認知・検討段階」の価値を可視化し、予算配分の最適化に役立ちます。
コンバージョンのアトリビューション モデル
「ラストクリック」と「データドリブン」など、異なる評価モデルで成果(CV数や収益)がどう変化するかを比較検証できるレポートです。「ラストクリックでは評価が低いが、データドリブンでは貢献度が高いチャネル」を見つけ出し、潜在的な貢献チャネルを確認できます。
また、「アトリビューションのタイミング」を調整することで、「コンバージョンの日時別(コンバージョンをしたタイミング)」だけでなく、「インタラクションの日時別(広告に接触したタイミング)」もアトリビューションとして設定できるようになります。
このような細かい柔軟な設定により、今までできなかった詳細な分析が可能になります。
新セクション)
過去のデータに基づき成果をシミュレーション「予算編成」
「予算編成」は、ユニバーサル アナリティクス(UA)にもなかった、まったく新しい機能です。
AIを活用し、過去のパフォーマンスデータに基づいた着地予測、予算配分のシミュレーションや管理が可能です。予算をどのように調整すればROIを最大化できるか、最適な広告費用の配分案をシミュレーションできます。
※本アップデートで対象となるコンバージョンは現時点で「ウェブ」のみです。アプリのコンバージョンは今後のアップデートで追加される予定です。
- 概要
- 予測
- シナリオプランナー(コンバージョン)
概要
プランの作成・管理のほか、予測に必要な「サービスリンク」や「キャンペーンデータインポート」などの接続状況が一覧で確認できます。
また「予算編成」の利用条件を満たしていない場合は、利用するために必要な条件の進行状況も確認できます。
予測
設定したKPI(予算・コンバージョン数・収益)に対して、現在のペースで進んだ場合の「着地見込み」を可視化する機能です。「計画通りに進んでいるか?」「今のままだと月末にどうなるか?」といった将来のパフォーマンスをグラフ(点線)で確認でき、改善点の特定に役立ちます。
シナリオプランナー(コンバージョン)
Googleがオープンソースで提供するマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)「メリディアン(Meridian)」のロジックから着想を得た機能で、メリディアンと似たレポーティングが可能です。
予算をどのように調整すれば、収益やコンバージョン数を最大化できるかをシミュレーションできます。
ツール新機能)
コンバージョン設定を一元管理「コンバージョン管理」
アップデートされた「コンバージョン管理」では、GA4とGoogle広告のコンバージョン設定(カウント方法など)をGA4上で一元管理できるようになりました。コンバージョンごとの個別調整が可能になったことで、設定の「ズレ」による計測ミスを防ぎ、より正確で効率的な広告運用を実現します。
- GAとGoogle広告のコンバージョン設定比較
- コンバージョン設定の微調整
- アトリビューション設定
GAとGoogle広告のコンバージョン設定を比較
GA4とGoogle広告の設定を1つの画面で横並びに比較・確認できます。
「レポートの数値が合わない」といった際、その大きな要因となるのが両プラットフォーム間の「設定の矛盾(差異)」です。この機能を使えば、不整合の原因を素早く特定し、データの乖離を最小限に抑えることが可能になります。

コンバージョン設定の微調整
Google広告の「カウント方法」や「計測期間」などの詳細設定を、Google広告の画面を開くことなく、GA4上から直接変更できるようになりました。変更内容はGoogle広告へ同期されるため、設定の食い違いによるデータのズレを未然に防ぎます。
アトリビューション設定
「コンバージョン アトリビューション設定」から、GA4のキーイベントをGoogle広告へ共有する際、「どのチャネルの貢献度をGoogle広告に割り当てるか」を選択できます。
| 設定項目 | 特徴 | メリット・注意点 |
| 有料チャネルとオーガニック チャネル | 自然検索やSNSなど、すべての流入元を考慮して計算。 | 【メリット】 Google広告が「実際に貢献した分だけ」が割り当てられるため、サイト全体の貢献度を把握できる。 |
| Googleの有料チャネル | Google広告経由の接触のみを評価対象とする。 | 【注意点】 Google広告への配分が多くなる(コンバージョン数が増える)傾向があり、過大評価になる可能性がある。 |
このように、2026年1月のアップデートを経て、GA4の「広告」セクションは、媒体横断の現状把握からAIによる予測までをシームレスにつなぐプラットフォームへと進化を遂げました。
散らばっていたデータが整理されることで、感覚ではなく確かな根拠に基づいた予算配分や施策立案が可能になります。GA4を単なる分析ツールではなく「次の一手を導き出す意思決定の基盤」として活用することが、広告運用の成果を最大化させる一助となります。
使い始める前に!「予算編成」機能における注意点
「予算編成」機能を利用するためには、いくつかの技術的・運用的な条件をクリアする必要があります。
データの蓄積期間
まず、データの蓄積期間に注意しましょう。
「予算編成」などのAIを活用した予測機能を安定して動作させるには、一般的に1年以上のコンバージョンデータや、季節性を加味するための12ヶ月分のキャンペーンデータが必要とされます。
また、2つ以上のチャネル(例:Google広告とMeta広告など)データが1年分必要になります。
将来的な活用を検討する場合、早期にデータ蓄積の体制を整えることが重要です。
技術的な維持管理
次に、技術的な維持管理についても注意が必要です。
他媒体データのインポート設定や、セキュリティを担保したAPI連携、さらには計測目的に合わせたプロパティ構造の再設計など、初期設定にはこれまで以上に広範な技術知識が求められるようになっています。
こうした高度な維持管理をすべて社内リソースで賄うことは、本来のマーケティング業務を圧迫しかねません。スピーディーかつ正確な計測基盤を築くために、専門知識を持ったパートナーとの連携も視野に入れると良いでしょう。
運用設計の重要性
最後に、運用設計の重要性です。
GA4のデータを単なる数値確認で終わらせず、具体的にGoogle広告の入札戦略へどうフィードバックさせるか。メインおよびサブコンバージョンの適切な切り分けを含めた、実戦的な運用設計が不可欠です。
高度化するプラットフォームの機能を最大限に引き出すためには、「計測したデータをどう運用の最適化につなげるか」という上流工程の設計こそが、成果を左右する鍵となります。
イー・エージェンシーが伴走型でGA4の運用をご支援
2026年1月のアップデートを経て、GA4の「広告」セクションは、媒体横断の現状把握から将来の予測までを繋ぐ、より実戦的なプラットフォームへと進化しました。
今回の新機能によって期待できるのは、単なる数値の統合だけではありません。散らばっていたデータを整理し、媒体間の評価基準を揃えることで、「感覚に頼らない、根拠のある予算配分や施策立案」を支えるインフラが整ったと言えます。
もちろん、ツールを導入するだけですべての課題が解決するわけではありません。しかし、GA4を「次の一手を導き出すための判断材料」として正しく使いこなすことは、複雑化する広告運用において、成果を最大化させるための確実な一歩となるはずです。
イー・エージェンシーは、Google マーケティング プラットフォーム(GMP)の認定パートナーとして、複雑な技術実装の代行はもちろん、将来のビジネス成長を見据えたデータ設計から、実務に即した運用支援までを伴走型でサポートいたします。
次世代の広告評価基盤を構築し、迷いのない投資判断を実現するために。まずは現在のデータ計測状況の診断から始めてみてはいかがでしょうか。
私たちの知見が、貴社のマーケティング成果を最大化させる一助となれば幸いです。
ご興味のある方は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。
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イー・エージェンシーは、「Google マーケティング プラットフォーム(GMP)」の認定セールスパートナー、「Google クラウド プラットフォーム(GCP)」の認定パートナーです。
また弊社はGoogleより2021年上半期における Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)の数多くの導入支援実績を評価され、認定セールスパートナーとしてアワードを受賞しております。
これまでの豊富な実績を元に、GA4導入・移行をお客様のビジネスに寄り添い支援させていただきます。
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この記事を書いた人
マーケティングプランナー 新卒でイー・エージェンシーに入社。 デザイナー兼マーケティングプランナーとして活動しています。ウェビナーやトレーニング動画の編集にも従事。
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