【GA4】手作業はもうやめる!分析に集中できるレポート作成の自動化方法5選

毎月・毎週やってくるデータ分析のレポート作成業務。
Google アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4)の画面を開き、データを抽出、Excelに貼り付けてグラフを作成、体裁を整える…。気づけば半日が終わっていた、という経験はありませんか?

本来、データ分析の目的は、データからインサイトを導き出し、そこから次の施策を考え、ビジネスを成長させるための意思決定を行うことのはずです。
しかし、手作業でのレポート作成に追われて、貴重な時間を消費してしまっている方も多いのではないでしょうか?

今回は、GA4のレポート作成を自動化し、「データに基づいた意思決定とアクション」に注力するための5つの方法をご紹介します。

GA4レポートを自動化する5つの方法

GA4のレポートを自動化するには、主に4つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを把握し、目的やスキルレベルによって最適なものを選択しましょう。

【方法1】GA4 Reports Builder for Google Analytics™の活用

まずご紹介するのは、GA4 Reports Builder for Google Analytics™を活用した方法です。
GA4 Reports Builder for Google Analytics™はGoogleスプレッドシートの無料アドオンで、日付範囲や必要なディメンション、指標を指定することで、GA4のデータを定期的に出力できます。
アドオンをインストールすれば、誰でも簡単に設定ができるため、最もハードルが低い方法といえるでしょう。
ただし、設定できる項目には限りがあるため、より詳細なレポートを作成したい方には不向きです。

【方法2】Google Apps Script (GAS) の活用

次にご紹介するのは、Google Apps Script (以下GAS) を活用した方法です。
GASはGoogleが提供する、各種サービスの自動化や連携を行うためのローコード開発ツールです。これを利用すれば、Google スプレッドシートやGmail、Googleカレンダーといった各種Googleサービスを連携させ、操作できます。

レポート作成においては、GA4のデータをAPI経由で直接スプレッドシートに抽出し、抽出したデータを自動で計算・加工、指定のフォーマットで出力する、といった一連の流れを自動で実行できます。
さらに、決まった時間にスクリプトを実行するよう設定しておけば、「毎朝8:00に前日分のレポートを作成する」といった運用が可能です。

Gmailアカウントがあれば、誰でも無料で利用できますが、GASの設定には、JavaScriptをベースとしたプログラミング言語を書けることが必須となります。

【方法3】標準レポートからのメール配信

GA4の標準レポートには、指定したレポートを定期的にメールで送信する機能が備わっています。PDFまたはCSV形式で、日次・週次・月次・四半期ごとのスケジュールを設定できます。
関係者に定点観測してほしい数値を共有する、といったシンプルな用途であれば、非常に簡単で便利な機能です。

img_01

ただし、標準レポートからでは、細かく設定したレポートはエクスポートできないため、より詳細な分析をしたい方には物足りないかもしれません。

 

【方法4】Looker Studio(旧データポータル)の活用

より視覚的でインタラクティブなレポートを自動化したいなら、無料BIツール「Looker Studio」との連携がおすすめです。一度ダッシュボードを構築すれば、データは自動で更新され、いつでも最新の状況を確認できます。グラフや表の種類も豊富で、見る人にとって分かりやすいレポートにカスタマイズできるのが最大のメリットです。

また、レポートの共有範囲も設定できるため、組織的なデータ活用を目指す企業にもおすすめです。

ただし、API経由でのデータ取得が前提になるため、GA4の「探索レポート」で作成したような複雑なセグメント分析は再現しきれないといった制限があるため、注意が必要です。

img_02

【方法5】BigQuery連携 + Looker Studioの活用

より高度で正確なデータ活用を目指すなら、この方法が最もおすすめです。
GA4のデータをGoogle Cloudのデータウェアハウスである「BigQuery」にエクスポートし、それをさらにLooker Studioで可視化する方法です。

GA4とBigQueryを連携させることによって、BigQueryにはGA4で発生した全ての生データが、間引かれることなく(非サンプリングで)蓄積されます。これにより、GA4のレポートだけでは表示しきれなかった正確なデータをLooker Studioで分析することができるようになります。

無料版GA4のデータ保持期間が最大14ヶ月であるのに対し、BigQueryへデータを蓄積すれば、この期間を超えた長期的な分析が可能です。

項目

【方法1】

GA4 Reports Builder for Google Analytics™の活用

【方法2】

Google Apps Script (GAS) の活用

【方法3】

標準レポートからのメール配信

【方法4】

Looker Studio(旧データポータル)の活用

【方法5】

BigQuery連携 + Looker Studioの活用

手軽さ ⚪︎
カスタマイズ性 ⚪︎ ⚪︎
扱えるデータ量
サンプリング 発生する可能性がある 発生する可能性がある 発生する可能性がある 発生する可能性がある 発生しない
データ保持期間 GA4に依存(無料版は最大14ヶ月) GA4に依存(無料版は最大14ヶ月) GA4に依存(無料版は最大14ヶ月) GA4に依存(無料版は最大14ヶ月) 無制限
外部データとの統合 × △(限定的) × △(限定的)
こんな人におすすめ とにかく手軽にレポートを作成したい方 レポートをGoogle スプレッドシートで管理したい人 最低限のレポートを定期的に手間なく送りたい人 視覚的なレポートを組織的に運用したい企業 正確なデータを使って、本気でデータ活用を組織的に行いたい企業

 

本気でデータ活用を目指すなら「BigQuery連携 + Looker Studioの活用」がおすすめ

「BigQuery連携 + Looker Studioの活用」は、本気でデータ活用を目指す企業にとって最もおすすめの方法です。特に、以下の点で大きなメリットがあります。

メリット1 サンプリングからの解放

GA4の無料版では、一定以上のデータ量になると「サンプリング」が適用され、レポートの数値が概算になります。BigQueryに連携すれば、すべての生データ(非サンプリングデータ)を扱うことができるため、正確な分析が可能になります。

GA4レポートの落とし穴 ”サンプリング”とは?原因と確認方法、回避策3選を解説!
https://googleanalytics360-suite.e-agency.co.jp/column/20230209_01

メリット2 データ保持期間の制限なし

無料版GA4では最大14ヶ月しかデータを保持できませんが、BigQueryにエクスポートすれば半永久的にデータを蓄積できます。これにより、年単位での長期的な詳細分析が可能です。

14ヶ月後データが消える?GA4のデータ保持期間を延長する方法まとめ
https://googleanalytics360-suite.e-agency.co.jp/column/20230216_01

メリット3 外部データとの統合による詳細分析が可能

BigQueryの1番のメリットは、CRM(顧客管理システム)の顧客データ、SFA(営業支援システム)の商談データ、広告媒体のコストデータなど、社内外の様々なデータを統合し分析できる点にあります。
「データに基づいた意思決定とアクション」を正確に行うために、BigQueryの活用をおすすめします。

メリット4 GA4だけでは実現できないレポートも作成可能

GA4だけでは実現できないレポートの代表例として、「コンテンツ貢献度」が挙げられます。

「コンテンツ貢献度」とは、コンバージョン達成に対して各ページがどの程度貢献したかを測ることです。ユニバーサル アナリティクス(以下UA)では、活用していた方も多いのではないでしょうか。GA4では、この「コンテンツ貢献度」を個別に確認することはできますが、UAのように一覧でレポート化して見ることはできません。

しかし、データをBigQueryにエクスポートすれば、「コンテンツ貢献度」を詳細に分析し、レポート化することが可能になります。他にもGA4や、その他のレポート自動化手段では表現できないレポートを作成することが可能です。

BigQuery連携で注意するべき2つのポイント

これほど強力なBigQuery連携ですが、導入と運用には注意するべき2つのポイントがあります。

注意するポイント1 導入時のデータ基盤の設計

どのようなデータを、どのような構造で蓄積していくか。将来の分析を見越した初期設計が重要です。

注意するポイント2 SQLの専門知識が必要

蓄積した膨大なデータから意味のあるインサイトを引き出すには、SQLというデータベース言語を使いこなすスキルが必要です。

これらの設計や設定を誤ると、「せっかく導入したのに使いこなせない」「想定外のコストが発生した」といった失敗に繋がりかねません。そんな時こそ、専門家の知見を頼ることが成功への近道です。

 

BigQuery連携・Looker Studioの豊富な導入実績

私たち株式会社イー・エージェンシーは、Google マーケティング プラットフォームおよび Google Cloud の認定パートナーとして、これまでエンタープライズ企業様をはじめ、数多くの企業様のBigQuery連携・Looker Stud導入といった、データ活用を支援してまいりました。
詳細は、ぜひ以下をご覧ください。

 

レポート作成の自動化、データ活用のお悩みなら、まずはお気軽にご相談を!

レポート作成の自動化は、単なる業務効率化ではありません。それは、データと向き合い、ビジネスを成長させるための「時間」と「環境」を手に入れるための重要な一歩です。

もし、あなたがレポート作成の”作業”から解放されて、「データに基づいた意思決定とアクション」に注力したいとお考えなら、ぜひ一度、私たちイー・エージェンシーにご相談ください。貴社のデータ活用を、GA4やBigQuery、Looker Studioを熟知した専門家が要件定義から設計、構築、そして活用まで、一気通貫でサポートします。

まずはお気軽に、お問い合わせください。


GMP・Google Cloudを活用したデータソリューション資料ダウンロードのご紹介

GMP・Google Cloud活用によるデータソリューションサービス資料のご案内

本資料では、GMP(Google Marketing Platform)・Google Cloudを活用した、イー・エージェンシーのデータソリューションサービスについて、成功事例を交えながら詳しくご紹介します。
データ活用のプロフェッショナルが、お客様のビジネス成果を最大化するため行ってきた施策を是非ご覧ください。

 

GA4を導入するならイー・エージェンシーにご相談ください

イー・エージェンシーは、「Google マーケティング プラットフォーム(GMP)」の認定セールスパートナー、「Google クラウド プラットフォーム(GCP)」の認定パートナーです。
また弊社はGoogleより2021年上半期における Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)の数多くの導入支援実績を評価され、認定セールスパートナーとしてアワードを受賞しております。
これまでの豊富な実績を元に、GA4導入・移行をお客様のビジネスに寄り添い支援させていただきます。

まずはお気軽にご相談ください。
お客様のデータ活用を伴走型で支援いたします。

私たちは、ビジネス課題を解決する支援を行っております
サービスについてお気軽にご相談・お問い合わせください
この記事を書いた人
神崎 恵

マーケティングプランナー 新卒でイー・エージェンシーに入社。 デザイナー兼マーケティングプランナーとして活動しています。ウェビナーやトレーニング動画の編集にも従事。