2021年夏に発表のあったGoogle アナリティクスのアクセス権限が変更されました。
本記事ではユーザー管理権限の廃止と新たなデータ制限について解説します。
ユーザー管理権限の廃止と新たなデータ制限の概要
従来のGoogle アナリティクス(以下UA)、Google アナリティクス 4 プロパティ(以下GA4)の両方で「ユーザー管理」権限の役割が廃止されるとともに、GA4では特定のデータの閲覧を制御できる権限が新たに設けられました。
主な変更点は下記の通りです。
▼UA・GA4で共通の変更
アナリティクス(UA・GA4)の「ユーザー管理」権限が廃止され、新しく「管理者」権限が追加されました。
【追加】管理者 権限 (編集権限+ユーザー管理)
※これまで「ユーザー管理」権限を持っていたユーザーには、「管理者」権限が自動的に付与されます。
▼GA4のみの変更
【追加2】収益指標なし(収益データの閲覧制限)
次の段落で変更点の詳細をご案内いたします。
変更点の詳細と対象となる指標の一例
今回GA4で追加されたデータ制限(コスト指標なし、収益指標なし)では、それぞれ下記の指標が制限の対象となります。
コスト指標なし | 収益指標なし |
▼対象となる指標 ・Google広告の費用 ・Google広告のクリック単価 ・Google広告の動画費用 ・Google広告以外の費用 ・Google以外のコンバージョン単価 など |
▼対象となる指標 ・eコマースの収益 ・商品の収益 ・アイテムの収益 ・ユーザーあたりの平均購入収益額 ・1日の最大収益 など、 |
※上記は対象となる指標の一例です。対象となる全指標は下記ヘルプページをご確認ください(現在英語版のみのご用意となります)。
https://support.google.com/analytics/answer/9305587?hl=en
このデータ制限が有効になったユーザーは、GA4のレポート上では制限の対象となった指標を選択することが可能ですが、それらの指標はすべて0で表示されます。
ポイント!
GA4の閲覧権限を付与しつつ、広告関連の費用やeコマースの収益データは閲覧させないという、より柔軟な権限の管理が可能になりました。
使用例
- 「コスト指標なし」:広告運用で、Google アナリティクスとGoogle 広告を連携している場合に、Google広告のキャンペーンごとの出稿コストが表示されます。その際に、外部パートナーなどの広告出稿費用を見せたくないユーザーに「コスト指標なし」のチェックを入れます。
- 「収益指標なし」:広告運用を任せている広告代理店に対してオーディエンスの作成をお願いしている場合などに、Google アナリティクスの権限を付与する場合がありますが、代理店に対して自社のeコマース収益を見せたくない場合などに使用します。
管理画面での把握について
各ユーザーが現在どのような権限をどこから付与されているのかを、GAの管理画面で把握しやすくなりました。
確認できること
- (1)アカウントから継承…GAアカウントレベルで付与されている権限が継承されていることが確認できます
- (2)組織からの継承…組織上で付与されている権限(組織管理者、請求管理者またはユーザー管理者)が確認できます
- (3)グループからの継承…組織上のユーザーグループで付与されている権限が継承されていることが確認できます
※直接権限が「なし」となっていても、①または③で「閲覧者」以上の権限が付与されていれば、対象のユーザーはレポートの確認が可能です。
新たな権限の一覧
新たなGAの権限は以下の通りです。
権限 | 権限の詳細 |
管理者 | 編集者の権限に加え、ユーザーの管理(追加・削除・権限の変更)も可能。 |
編集者 | 旧:編集権限の新たな名称。アカウントやプロパティの追加の他、各種設定の変更を行うことができる。ユーザーの管理は不可。 |
アナリスト | 旧:共有設定権限の新たな名称。個人アセットを作成、編集、削除、および共有可能なだけでなく、共有されたアセットを編集することもできる。 ※GA4での共有アセットの編集は確認中 |
閲覧者 | 旧:表示と分析権限の新たな名称。レポートと設定データの表示や個人アセット(セグメントや探索レポート等)の作成ができる。 |
なし | 直接権限が付与されていない状態。GAアカウントの権限がプロパティに継承されていたり、ユーザーグループ権限が継承されている場合、直接権限がなくてもデータ閲覧可。 |
[NEW!] コスト指標なし(GA4のみ) |
広告のコストに関連する指標をレポートで表示しない制限。管理者または組織管理者はのみこの制限を設定・解除することが可能。 |
[NEW!] 収益指標なし (GA4のみ) |
収益に関連する指標をレポートで表示しない制限。管理者または組織管理者はのみこの制限を設定・解除することが可能。 |
本記事のまとめ
- UA・GA4の両方で「ユーザー管理」権限の役割が廃止されました。
- GA4では特定のデータの閲覧を制御できる権限が新たに設けられました。
- GA4では、新たにデータ制限(コスト指標なし、収益指標なし)が設けられ、管理者にとってより柔軟な権限の管理が可能になりました。
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この記事を書いた人
広告代理店でのライター・プランナー、Webメディアでの企画編集を経てイー・エージェンシーに入社。 わかりやすいコンテンツづくりを心がけています。
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